最初に紹介するのはシャープの製品だ。同社は6月末から直管形LEDランプの新製品「DL-T432」シリーズ(図3)を発売した。特長は他メーカーよりも明るく、安く、長寿命であることだ。
光色が昼白色(5000K)の場合、ランプ光束は2600lm。ほとんどのメーカーの製品は同じ条件で2400lmなので、一歩先を行っている。消費電力は25Wで、1W当たりの発光効率は104lm/Wとなる。この値はJEL801規格準拠品では、最高の値だ。Ra値(平均演色評価数)は84。十分なレベルと言える。
価格は9900円(税抜、以下同様)。他社の製品を見ると1万2000円としていることがほとんどだ。シャープはランプの直径を細くし、内部構造を見直すことで低価格化を実現したとしている。
ほとんどのメーカーは、LED照明の寿命を4万時間としているが、シャープはこの製品の寿命を6万時間としている。24時間、365日点灯させ続けても7年近く使える計算になる。しかも、シャープは6万時間を経過しても光束が出荷時の95%まで低下するだけだとしている。他メーカーの場合は、寿命である4万時間に達すると光束が出荷時の70%まで低下するとしている。他社製品より明るく、安価で、長く使える。お買い得な製品と言えるだろう。
昼白色(5000K)のほかに、白色(4000K)、温白色(3500K)、電球色(3000K)と、4種類の異なる光色を揃えていることも特長だ。
パナソニック エコソリューションズ社の製品の特長は3つ挙げられる。1つ目は寿命である4万時間を経過しても出荷時の95%の光束を維持していること。6万時間経過しても95%の光束を維持するというシャープの製品ほどではないが、メーカー想定の寿命に到達しても95%の光束を維持しているという特長をアピールしているのは、シャープとパナソニック エコソリューションズ社だけだ。
2つ目の特長は、昼光色(6700K)、昼白色(5000K)、白色(4000K)、温白色(3500K)、電球色(3000K)と、5種類の異なる光色を揃えていること(図4)。光色が昼白色(5000K)の場合の仕様を挙げていこう。ランプ光束は2400lm、Ra値は84、消費電力は27.2W。価格は1万2000円だ。5種類の光色を揃えているのはパナソニック エコソリューションズ社と東芝ライテックだけだ。
3つ目の特長は、あまり明るくする必要がない場所で使うことを意図して、明るさを落とし、価格を下げた製品を用意していることだ。光色は昼白色(5000K)と白色(4000K)の2種類。昼白色の製品には、ランプ光束が2000lmの製品と1400lmの製品を、白色の製品にはランプ光束が1900lmと1300lmの製品をそれぞれ用意している。
4製品ともRa値は84。消費電力は昼白色で2000lmの製品と、白色で1900lmの製品が19.4W。昼白色で1400lmの製品と、白色で1300lmの製品が13.2W。価格はランプ光束が2000lmの製品と1900lmの製品が7000円。1400lmの製品と1300lmの製品が6000円だ。
東芝ライテックは大きく分けて2種類の直管形LEDランプを用意している。1つ目は普通の40形蛍光灯の代替となるもの。これは他社が販売しているものと同様のものだ。光色が昼白色(5000K)の場合、ランプ光束は2400lm、Ra値は83、消費電力は25W。価格は1万2000円だ。パナソニック エコソリューションズ社と同じように、昼白色だけでなく、昼光色(6700K)、白色(4000K)、温白色(3500K)、電球色(3000K)と5種類の異なる光色のランプを揃えている。
もう1つは、Hf管の代替となる製品だ(図5)。Hf管は、インバータを使って効率を上げた蛍光管で、通常の蛍光灯よりも明るく光る。東芝ライテックが販売するHf管(Hf32)代替の直管形LEDランプの仕様は、光色が昼白色(5000K)で、ランプ光束は3500lm、Ra値は83、消費電力は31W、価格は1万8500円だ。同社によると、Hf32形蛍光灯と比較して、消費電力を35%削減できるという。東芝ライテックは2012年8月から、Hf管代替のLEDランプでも光色が異なる5種類の製品をそろえる予定だ。
三菱電機の直管形LEDランプは、他社製品と比較するとあまり変わったところがない。光色が昼白色(5000K)の場合の、ランプ光束2400lm、Ra値84、消費電力26W、価格1万2000円という仕様を見ても他社と大きく変わるところはない。昼白色のほかに白色(4000K)、電球色(3000K)と、合計3種類の光色を揃えているが、他社と比較すると光色の種類が少ない。
三菱電機の直管形LEDランプには際立った特長はないが、専用の照明器具に特長がある。照明のスイッチをOFF→ON→OFF→ONと続けて操作すると節電モードに切り替わるのだ。節電モードから通常モードに戻すには、スイッチを同じように操作する。
節電モードにすることで、明るさを70%に抑えて、消費電力を削減できる。どのメーカーも調光器を別売りで用意しているが、簡易的な調光機能とはいえ、照明器具に明るさを変える機能を持たせたことは特長と言えるだろう。ちなみに、三菱電機は節電モードへの切り替え機能を備えた照明器具を通常の照明器具よりも1000円ほど安く提供している。
最後にNECライティングの製品を紹介しよう。ランプの種類は1種類、昼白色(5000K)のものだけだ。ランプ光束は2400lmで、Ra値は84、消費電力は26Wで、価格は1万2000円。特別目立つところはない。
NECライティングによると、現在は注文を受けて昼白色以外の色のランプを提供しているが、近日中に光色が異なるランプを数種類発売する予定だという。
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