3500棟の賃貸住宅で太陽光発電、2014年度に全国で50MWへスマートホーム

全国で60万棟以上の賃貸住宅を管理・運営する大東建託が、新しいスキームによる太陽光発電事業を開始した。賃貸住宅のオーナーから屋根を借り受けて太陽光パネルを設置し、発電した電力を電気事業者に売却する。34の都府県を対象に、2年後の2014年度に3500棟まで広げる計画だ。

» 2012年08月03日 09時30分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]
図1 賃貸住宅の屋根を活用した太陽光発電事業。出典:大東建託

 太陽光発電にはパネルを設置するための十分なスペースが必要で、空いている土地を利用して発電事業に乗り出す企業は多くある。大東建託は管理・運営を委託されている賃貸住宅の屋根を有効なスペースとみて、8月から太陽光発電事業を開始した。

 賃貸住宅のオーナーに屋根の賃料を支払って、太陽光パネルを設置する(図1)。発電設備の設置費用や保守費用などは大東建託が負担し、発電した電力は固定価格買取制度を利用して電気事業者に売却する考えだ。

 2012年度中に780棟の賃貸住宅に太陽光パネルを設置して、合計で10MWの発電規模を実現する。さらに2014年度には3500棟まで広げて、50MWの規模に拡大する計画である。この時点で年間14億円の売り上げを見込んでいる。1棟あたり40万円の収入になる。太陽光パネルの設置対象は2001年度以降に大東建託が施工した賃貸住宅に限定する。

 この発電事業と合わせて、太陽光パネルを設置した賃貸住宅の居住者にも節電対策を促進する。あらかじめ決められた節電対策を実施すると、部屋ごとの電気料金の5%相当額を割り引く。一般の住宅では節電と発電を可能にするスマートハウスが増えているが、賃貸住宅でも同様の取り組みを実現できることになる。

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