日本初のマンション向けデマンドレスポンス開始、節電量に応じてポイント還元電力供給サービス

電力の需要に応じて電気料金単価を変えたり、節電した需要家に見返りを提供する「デマンドレスポンス」の実験が続いている。NTTファシリティーズとエネットは、日本初となるマンション向けデマンドレスポンスサービスの提供を始める。

» 2012年08月30日 07時15分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 NTTファシリティーズと新電力のエネットは、マンション向けデマンドレスポンスサービス「EnneVision」の提供を始める。従来、両社はこのサービスを一部の家庭に試験導入していたが、今後はエネットが提供する「マンション向け電力提供サービス」を利用するすべてのマンションをサービス対象とする。

 EnneVisionでは、マンション各戸にスマートメーターを設置し、4種類のサービスを提供する(図1)。1つ目は、それぞれの世帯の電力使用量をパソコンなどで確認可能にする「見える化サービス」。2つ目は、昼間の電気料金単価を高く、朝晩と夜間は安く設定する「時間帯別料金サービス」。3つ目は、電力需給が逼迫しているときに、各世帯に節電要請を出し、節電した世帯に節電量に応じてポイントを還元する「節電ポイントサービス」だ。このポイントは電気料金の支払いに利用できる。

図1 EnneVisionで提供する4種類のサービス

 4つ目は2012年7月から提供している「CO2ポイントサービス」。前年同月と比較して電力使用量が減っていると、減少した分に相当するCO2排出量に応じてポイントを提供する。

 両社は2011年7月から首都圏の9棟のマンション、約3000世帯を対象にEnneVisionを試験提供していたが、本格サービス提供開始に伴い、昨夏のデマンドレスポンスサービスの効果を公開した。

 両社が公開したデータによると、時間帯別料金サービスに効果により、昼のピーク時間帯の電力使用量を2010年夏と比べて20%削減できたという。節電ポイントサービスについては、節電要請に応えて節電した世帯は全体の40%。要請を出す前日に比べて約25%節電できたという。

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