d.チリ
アメリカ合衆国内務省傘下の研究機関であるアメリカ地質調査所(United States Geological Survey)が公開した報告書「MINERAL COMMODITY SUMMARIES 2012」によると、リチウムの生産量が最も多い国はチリ。2010年、2011年ともに生産量で首位に立っている。確認済みの埋蔵量を見ても、チリは世界一だ。
リチウムは地球上に広く分布しており、決して希少なものではない。例えば、世界中の海水にもリチウムが溶けこんでおり、海水からもリチウムを抽出できる。しかし、現時点では海水からまとまった量をリチウムを抽出するとコストが高くついてしまう。
現在、リチウムは塩湖や鉱山から採掘している。先に述べた通り、リチウムは希少なものではないが、産業に利用できる程度のまとまった量を採掘できる場所はごく少ない。上の表では、チリの埋蔵量が世界一になっているが、隣国のボリビアにもチリと同じくらい大量のリチウムが眠っている。しかし、まだ開発が進んでおらず、本格的な生産は始まっていない。
リチウムイオン蓄電池のメーカーは、まとまった量のリチウムを入手するルートを確保できないと、開発、製造が困難になる。
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