エネルギー構造改革に4000億円、2013年度予算の概算要求補助金

各省庁による2013年度予算の概算要求がまとまり、注目の資源・エネルギー関連で経済産業省が1兆円規模の予算案を提出した。その中で「新たなエネルギー需給構造の構築」に最大の4025億円を要求して、省エネ対策の強化や再生可能エネルギーの開発に注力する姿勢を明確にした。

» 2012年09月11日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 2013年度の国家予算を決めるためのベースになる概算要求の内容が各省庁から公表された。経済産業省は重点分野の資源・エネルギー関連で約1兆円の予算を要求、そのうちの4025億円を「新たなエネルギー需給構造の構築」に振り向ける案を提出した(図1)。

 特に注力するのは「省エネルギー対策の抜本的強化」で、2048億円を割り当てる。6つの主要な対策を掲げており、特に家庭と企業におけるエネルギー管理システムや自家発電設備の導入を補助金によって促進する。家庭向けと企業向けともに2012年度と比べて2倍以上の予算を確保する予定だ。

 このほか電気自動車を中心とする次世代自動車の普及に400億円以上を投入する方針で、2012年度中に終了するエコカー補助金に代わる「クリーンエネルギー自動車」の補助金を拡大する。

 一方、供給力の強化に向けては「再生可能エネルギーの開発・利用の最大限の加速化」をテーマに、2012年度の3倍にあたる1304億円の予算を要求した。太陽光発電に続いて有望な風力発電と地熱発電に、それぞれ100億円以上の予算を振り向ける。小水力発電の導入促進や海洋・バイオマスエネルギーの技術開発にも注力する。

 再生可能エネルギーの拡大に加えて、エネルギー効率の高いガスコージェネレーションの導入を促進するために220億円の予算を組み込んだ点も注目したい。電力と熱の両方を作り出せるガスコージェネは、今後のエネルギー供給手段として企業と家庭の双方で重要な役割を担うと考えられており、補助金制度の拡充によって急速な普及が期待できる。

 毎年度の概算要求は最終的に財務省によって調整・減額されることになるが、国の最大の課題であるエネルギー分野の予算は優先的に認められる可能性が大きい。

図1 2013年度の資源・エネルギー関連予算の概算要求。出典:経済産業省

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