太陽光発電の安定化などに役立つ、コンテナ型蓄電システム蓄電・発電機器

太陽光や風力といった再生可能エネルギーで発電した電力は、気候によって出力が変化し、安定しない。古河電気工業は、太陽光発電の安定化などを狙った大型蓄電システムを開発した。

» 2012年10月19日 09時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 古河電気工業は大量の蓄電池に加えて、インバータなどの周辺機器をコンテナに詰め込んだ「パッケージ型蓄電池システム」を開発した(図1)。当面は古河電気工業の横浜事業所で運用試験を続け、2012年度末から公共団体、民間企業、建設会社などを対象に販売活動を始める。

図1 古河電気工業が開発した「パッケージ型蓄電池システム」。大量の蓄電池と周辺機器を20フィートコンテナに詰め込んでいる

 内蔵する蓄電池は鉛蓄電池。蓄電容量は288kWh。ただし、注文時に蓄電容量の変更も可能。最大出力は50kW(交流200V、三相三線式)。交流100Vの単相二線式の補助出力も備える。補助出力の最大出力は4kW。50kWで電力供給を続けられる時間は4.4時間。4kWで続ければ72時間にわたって電力供給が可能。

 古河電気工業はこのパッケージ型蓄電池システムの用途を3つ挙げている。1つ目は停電時のバックアップ。停電時は、事前に決めておいた範囲に電力を供給する。電力を供給できる時間は先に挙げた通り。

 2つ目はピークシフト。30分ごとの消費電力を監視し、設定した値を超えそうになったら、蓄電池からの電力で補い、ピークを抑える機能を備える。コンテナは太陽光パネルのパワーコンディショナーも内蔵しており、太陽光発電パネルを接続すると、ピーク時の補助電力として太陽光発電パネルからの電力を利用することもできる。

 3つ目は太陽光発電による電力の安定化。太陽光発電パネルによる電力は、日当たりによって常に変化する。変化する電力を一度蓄電池に充電することで、安定した電力として利用できるようになる。

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