c.液化天然ガス
経済産業省の資源エネルギー庁が公開した「平成23年度 エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」によると、2011年度に最も多くの電力を生み出した燃料は液化天然ガス(LNG)だ。2011年度はおよそ3772億kWhの電力を作り出した。LNGはやや高価だが、火力発電で利用するほかの燃料に比べてCO2排出量が少ない。
LNGを燃料とする発電設備は効率が高いという特長もある。その進化は今でも続いている。発電時にガスを燃焼させたときの熱を利用してもう1つの発電機を動かすコンバインド・サイクルの導入も進んでおり、現在の日本では主力と言える発電方式だ。
LNGの次に多くの電力を発電した燃料は石炭。2011年度はおよそ2338億kWhを発電した。石炭は資源量が豊富で安価に手に入る。政情が安定している国から多く輸入できるので、安定した供給を望める。しかし、CO2を多く排出するという欠点がある。最近は燃料に石炭を使いながらCO2排出量を減らす発電法の研究も進んでいる。
石油は2011年に1375億kWhの電力を作り出した。第一次オイルショック以降、火力発電所の発電方式が石炭やLNGに移行を始めたため、発電電力量は下がっていった。2011年度の石油による発電量は、1973年度と比較して半分程度まで落ち込んでいる。
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