楽天は福島県で太陽光発電システムの普及を促進するモデル事業を始める。節電で浮いた資金の一部を企業から集めるなどの方法で原資を作り、太陽光発電システム設置を希望する個人や法人に補助金のような形で支給する計画だ。
この事業の特長は、省エネや再生可能エネルギー普及に理解がある企業から事業の資金を集める点にある。資金を作る方法は主に3種類。1つ目は楽天と共同で事業を進めるグローバルエンジニアリングからの出資だ。グローバルエンジニアリングは東京電力管内でデマンドレスポンス事業の取りまとめを受け持っている。その事業による利益の一部を原資として提供する。
2つ目は賛同する企業から収集する「太陽光発電支援金」だ。これは企業による節電の結果、浮いた資金の一部を提供してもらう(図1)。3つ目はグリーン電力証書の取引だ。CO2排出量を減らしたいと考える企業や、再生可能エネルギーによる電力を利用したいと考えている企業にグリーン電力証書を販売する。証書を得た企業は実際にはCO2排出量を減らしていなくても減らしたと見なしてもらえる。消費した電力の由来を問わず、再生可能エネルギーによる電力を利用したことになる。
こうして集めた資金を原資として、太陽光発電システムを設置したいと希望する福島県内の個人や法人を支援する。集めた資金の一部を提供して、太陽光発電システム導入時のコスト負担を軽減するのだ。楽天はこの事業において、2013年6月までに太陽光発電システムを100件の住宅あるいはビルに設置することを目標としている。
現時点では協力企業から集めた資金で太陽光発電システムの導入を支援するだけだが、今後は資金を違う形で利用することも考えているとしている。
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