地熱発電の開発促進に補助金、最高1億8000万円まで自然エネルギー

新たな再生可能エネルギーとして期待が大きい地熱発電の開発を促進する補助金制度が始まる。地熱による熱水を利用した設備の導入費のほか、住民向けの講習会や勉強会の費用も補助金の対象になる。1件あたり最高で1億8000万円の費用を全額補助する。

» 2013年06月11日 17時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 資源エネルギー庁が2013年度に総額28億円の予算で実施する「地熱発電理解促進関連事業支援補助金」の公募が始まった。地熱が豊富な地域で発電事業を加速させるために、地域の住民などに地熱発電のメリットを理解してもらうことが最大の目的だ。

 補助金の対象は「ハード支援」と「ソフト支援」の2種類がある。ハード支援は地熱による熱水を利用した設備を導入する場合が対象になる(図1)。地熱発電の規模が最低でも10kW程度になることが条件である。市区町村(地域)による申請も可能だが、新たな掘削が不要な小規模の「温泉発電」などの場合には自治体を除外する。

 この補助金は地熱発電の実施を前提にして、地下から湧き出る熱水を利用したハウス栽培や養殖などに必要な設備の導入費や調査費を全額支給するもの。発電以外でも地域にメリットのある利用法を示すことで、広く住民の理解を得られるようにする狙いだ。

図1 補助金の対象範囲(ハード支援)。出典:資源エネルギー庁

 地域の理解促進を目的にしたソフト支援として、地熱発電の専門家による講習会や勉強会のほか、地熱発電所の見学会も補助金の対象になる。ソフト支援の補助金は都道府県でも申請できる。対象になる事業の実施期間は、補助金の交付決定日から2014年3月31日までに限られる。

 補助金の支給額は1件あたり最高で1億8000万円と高額だ。最低でも100万円の補助金が出る。応募の締切は7月5日(金)の12時で、全国9地域にある経済産業局が窓口になって受け付ける。

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