架台と基礎に工夫の余地あり、メガソーラーの低価格化に役立つ自然エネルギー

NTTファシリティーズは発電事業用メガソーラーを続々と建設している。2013年6月には自社向けとしては5カ所目と6カ所目になるメガソーラーを相次いで完成させた。設置しやすく、建設コストを低減できる構造部材を採用したことに特徴がある。

» 2013年06月14日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 メガソーラーに使う構造部材を工夫することで、建設に要する時間を短縮でき、建設コストを引き下げることができる。太陽電池モジュールなど電気周り以外にも工夫の余地が大きいということだ。その1つの事例がNTTファシリティーズによる発電事業用の「F小幡太陽光発電所」(茨城県茨城町、2.401MW)と「F白州太陽光発電所」(山梨県北杜市、1.6MW)である(図1)。

図1 F小幡太陽光発電所。多結晶シリコン太陽電池モジュールを採用した。出典:NTTファシリティーズ

 いずれも2013年6月に完成したメガソーラーである。架台に工夫があり、F白州太陽光発電所では独自の土台も採用した。

 メガソーラーの建設では整地した敷地にコンクリートの土台を打ち込み、そこに架台をボルトなどで固定する。架台の上に太陽電池モジュールを設置してケーブル接続していく。

 今回の2件のメガソーラーでは架台に自社開発の「スチール製V型架台」を採用した。太陽電池モジュールを支える支柱構造がVの字型になっているため、井桁型のものと比較して強度が確保しやすく、接合部の数も少なくなる。このため、同社の従来の架台と比べると構築費を約30%削減できるとした。

 F白州太陽光発電所ではスチール製V型架台を取り付ける土台に「置き式」を採用した。コンクリートを敷地に打ち込むのではなく、地面の上に置いたブロック状のコンクリート基礎に架台を取り付ける手法だ。

 コンクリートブロックはさまざまな天候の下でも架台と太陽電池モジュールを固定するだけの重量がある。それでも敷地に運び込んで配置できる程度には軽いため、設置工事費を低減できる。「太陽光発電所の運用期間が終わったときの撤去費用が安くなるというメリットもある」(NTTファシリティーズ)。さらに、地下に埋設物がある場合など、コンクリートを打ち込むことができない敷地にも適用できる。

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