楽天が太陽光発電をはじめとするエネルギー分野の事業拡大に本格的に乗り出した。インターネットを利用した通販や旅行などの登録会員8000万人と契約企業7万社で構成する「楽天経済圏」を強みにして、太陽光発電システムを導入した旅館には会員の宿泊予約を促進するサービスを提供する。
楽天は1年前に太陽光発電システムの販売を開始して以来、BEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を活用したデマンドレスポンスサービスや蓄電池システムの販売など、エネルギー分野の事業を矢継ぎ早に展開してきた。6月28日から新たに「楽天エナジー」のブランドを立ち上げ、グループの総合力を生かしてエネルギー事業を拡大する計画だ。
楽天エナジーで提供するサービスは3種類ある。太陽光発電システムをはじめとする再生可能エネルギーの導入支援、デマンドレスポンスを含むエネルギー管理支援、さらに電力とITを組み合わせた「パワーサプライ」である。
このうち新しく加わったパワーサプライについては現時点で詳細を明らかにしていないが、楽天がインターネット上で提供している通販や旅行などのサービスと連携したプランを準備中だ。楽天はインターネットサービスの利用者として登録会員8000万人、提供者として契約企業7万社を抱えている。金融サービスを加えた「楽天経済圏」を構築しており、市場が急速に拡大するエネルギー分野にも活用できると判断した。
楽天がパワーサプライの一例に挙げているのは旅行事業との連携モデルだ(図1)。楽天を通じて住宅用の太陽光発電システムを購入した利用者に対して、同じく楽天からシステムを導入した旅館の宿泊を推奨する。旅館にとっては宿泊客を増やせる一方、利用者には楽天のポイントを使えるメリットがある。
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