施工サービスや補償もまとめて提供、産業向け太陽光発電システム蓄電・発電機器

住宅向け太陽光発電システムを安価で提供している楽天が、企業に向けた産業向け太陽光発電システムの提供を始めた。機器だけでなく、施工、災害に備える補償などをまとめて低価格で提供する。

» 2012年10月17日 11時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 インターネット販売大手の楽天は、主に企業に向けて「楽天ソーラー 産業用」の販売を始めた(図1)。流通ルートから無駄を排除し、提供するシステムの仕様をある程度固定することで、低価格で太陽光発電システムを提供する。

図1 「楽天ソーラー 産業用」の施工例

 太陽光発電パネルにパワーコンディショナー、ケーブルといった機器に加えて、パネルを固定する架台、設置サービス、補償サービス、経済産業省への設備認定などの各種手続き代行サービスをセットにして提供する。

 設置を希望する場合、Webサイトから現地調査依頼を出す。担当者が現地調査を実施し、見積書を出す。価格と施工内容に納得し、費用を支払えば設置工事から各種手続きなどをまとめて請け負うので、完成を待てばよい。

 完成後の安定運用への備えも提供する。提供するパネルはカナディアン・ソーラーの「CS6P-240P」、1枚当たりの最大出力は240W。出力値を25年間メーカーが保証する(25年目に出荷時の80.2%以上を保証)。塩害やアンモニアによる腐食が発生しやすい地域でも、腐食することなく長く使えるという。

 メーカー保証に加えて、売電利益の損失を最小化する補償サービスが2種類付属する。1つ目は「自然災害補償」。台風や落雷といった災害で太陽光発電システムが破損した場合に、修理、交換に要する費用を保証する。

 2つ目は「売電利益補償」。自然災害補償の対象となるような災害に遭い、太陽光発電システムが停止した場合、停止した期間の売電利益を保証する。さらに、太陽光パネルを地面に設置する「野立て」の場合は「盗難補償」も加わる。

 機器一式、施工工事、各種補償をセットにした価格は、システムの出力と設置場所によって、あらかじめ決まっている(図2)。

図2 「楽天ソーラー 産業用」の1kW当たりの価格

 例えば、陸屋根に出力26kWのシステムを設置する場合、34万5000円に26を掛けた結果である897万円がセット価格となる。使用する太陽光発電パネルなどの部材をなるべく統一するため、出力値を完全に自由に決められるわけではないが、決まった部材をまとめて調達するため、安価で提供できる。

 セット価格をまとめて用意できない場合は、楽天が用意する「ソーラーローン」を利用できる。最大で2200万円まで借入可能で、融資期間は最大15年。太陽光発電システムが順調に稼働すれば、毎月の売電収入だけで返済していくことも可能だという。

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