太陽光パネルを屋根や平地のほかにも設置できる新製品が登場した。シャープが10月から発売する「シースルー太陽電池モジュール」で、ガラス構造を採用して光を通すことができるため、ビルや店舗の窓、マンションのベランダにも取り付けて発電することが可能だ。
7月に固定価格買取制度が始まって以降、太陽光発電の導入例が急速に広がっている。ただし設置場所は工場や家庭の屋根、あるいは広大な空き地が一般的だ。できるだけ空に向かってパネルを設置するためだが、新たに垂直に付けても発電できる太陽光パネルが製品化された。
シャープが10月1日に発売する「シースルー太陽電池モジュール」である。合わせガラス構造を採用して、中間に薄膜の太陽電池セルを挿入する仕組みだ(図1)。通常のガラス窓と同様にサッシやベランダの枠などにはめ込むことができ、光も通すことができる。
その代わりに発電効率(面積あたりの発電能力)は一般的な太陽光パネルが10〜15%になるのに対して、6.8%と半分程度に落ちる。1枚あたりの発電能力は95Wである(図2)。
最近のスマートハウスの屋根に設置される太陽光パネルの発電能力は4kW前後であることから、同等の発電を可能にするためには40枚程度のパネルが必要になる。家庭よりも窓の多いオフィスビルや工場、店舗や病院などに設置するほうが費用対効果は大きそうだ。
この太陽光パネルは受注生産により、オープン価格で販売する。パネルと組み合わせて電力変換用のパワーコンディショナーやサッシの枠を含めたシステムとしても提供する。
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