7月から始まった固定価格買取制度における開始2か月間の状況が発表された。8月末までに買取制度の対象として認定された設備は7月末から2.16倍に、発電規模の合計では2.29倍の大幅な増加になった。すでに2013年3月末までの目標値の半分を超えるペースで拡大している。
2030年に向けた再生可能エネルギーの拡大を疑問視する声が上がっているが、少なくとも現時点では政府の目標値を大幅に上回るペースで発電設備が増えている。経済産業省が発表した7月と8月の集計結果によると、この2か月間に固定価格買取制度の対象として認定された発電設備の規模は130万kWに達し、2013年末の目標値250万kWの半分を超えた(図1)。
今後も同様のペースで再生可能エネルギーによる発電設備が増えていくと、2013年3月末には600万kW程度の規模まで拡大する。政府が9月14日に発表した「革新的エネルギー・環境戦略」では、2030年までに水力を除く再生可能エネルギーの発電設備を1万kW増やす計画で、かりに毎年600万kWずつ増やすことができれば、十分に目標をクリアできる。
固定価格買取制度の認定を受けた設備の状況をもう少し詳しく見ると、発電方法別では太陽光が全体の8割を占め、残りの2割が風力である(図2)。特に伸び率が大きいのは発電規模が10kW以上の太陽光で、7月末と比べて2.4倍に増加した。1000kW(1MW)以上のメガソーラーを含めて、企業や自治体が太陽光発電システムの導入を積極的に進めている状況がうかがえる。
都道府県別では北海道が2.5倍の伸びで、九州を抜いてトップになった。太陽光や風力など、広大な土地を活用した再生可能エネルギーの導入が加速している。
このほかで注目すべきは、7月末時点で認定設備がゼロだった水力とバイオマスでも実績が出てきたことだ。発電規模が200kW未満の「小水力発電」が全国で7件、1000kW未満の「中水力発電」が中国地方で1件、それぞれ8月に認定された。バイオマスでは未利用の木材を使った設備が東北地方で1件あり、メガソーラー並みの5700kWの発電能力がある。
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