洋上風力発電を六ヶ所村の沖合で、大型風車32基を2018年に稼働へ自然エネルギー

風力発電の導入量が日本で最も多い青森県で洋上風力発電の新プロジェクトが動き出した。太平洋側の六ヶ所村の沖合に大型風車32基を建設する計画で、5年後の2018年に運転開始を目指す。実現すれば80MWの発電能力を発揮して、国内で最大級の洋上風力発電所になる見込みだ。

» 2013年08月05日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 青森県の沿岸地域は風況に恵まれていて、数多くの市町村で風力発電設備が稼働している(図1)。その中で活発な取り組みが下北半島の六ヶ所村で進んでいる。すでに大規模な風力発電所が3カ所で稼働中だが、新たに洋上風力発電所を建設するプロジェクトが明らかになった。

図1 青森県で10kW以上の風力発電設備がある市町村(2012年3月31日現在、赤丸は2011年度に新設)。出典:NEDO

 地元の企業が中心になって計画しているもので、1基で2.5MW(メガワット)の大型風車を32基、合計で80MWの発電設備を洋上に建設する。風力発電に義務づけられている環境影響評価のプロセスを実施したうえで、3年後の2016年に着工して、2018年から運転を開始する計画だ。

 国内の洋上風力発電は陸に近い場所で発電設備を海底に固定する「着床式」を中心に増えていて、最近では海上に設備を浮かせる「浮体式」の実証実験も始まっている。六ヶ所村のプロジェクトでは着床式を採用する予定である。一方で洋上風力発電は海洋生物や漁業への影響などもあり、各方面との調整が大きな課題になる。

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