ワタミがメガソーラー事業へ、北海道で出力15MW自然エネルギー

ワタミは再生可能エネルギーの利用拡大を目指している。2012年には風力発電のプロジェクトに相次いで出資、2013年には自社工場の屋根を太陽光発電システムで利用するほか、北海道南部のメガソーラープロジェクトに出資する。出力は約15MWだ。

» 2013年08月23日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 厚真町とメガソーラーの位置

 外食・介護・高齢者向け宅配を手掛けるワタミは、北海道厚真(あつま)町でメガソーラー事業に参加する(図1)。ここに至るまでには事前の計画があった。

 同社は2008年に「ワタミ環境宣言」を発表しており、2009年には実際の目標に落とし込んだ「W-ECOビジョン2020」を策定している。それによれば2020年までにグループ全体の売上高当たりの環境負荷を2008年比で50%削減する。ここでいう環境負荷とは二酸化炭素(CO2)排出量をいう。

 大規模な環境負荷低減策が必要だ。そこで、2011年に風力発電事業に参入することを発表、2012年にまず秋田県で風力発電事業の建設と事業に出資、資金貸付という形で事業に参画した(関連記事)。現在の総出力は6MWに達する

 2013年からは太陽光発電に注力、2013年10月から、自社の食品製造センターの屋根に太陽光発電システムを順次設置する。全国13カ所で展開する。

 次の一手が、メガソーラーだ。厚真町が公募し、市民風力発電が進めるメガソーラー事業に参画する。約45億円を出資する形だ。市民風力発電は特定目的会社(SPC)であるコミュニティ・ソーラーに出資し、同社から運営を委託される形で事業を進める形の事業を予定していた。今回のワタミの参加により、ワタミの100%子会社であるワタミエコロジーの出資がSPCに加わる。ワタミエコロジーは事業管理の委託も受ける(図2)。

図2 厚真町におけるメガソーラー事業の枠組み。出典:ワタミ

出力15MWを計画

 メガソーラーの予定地は苫小牧港から東に10kmほど離れた原野だ(図3)。「約25haの民有地の賃借を受け、メガソーラーの建設を進める」(ワタミ)。平たんで建設しやすい土地だということが分かる。

図3 メガソーラー用地。造成前(左)と現状(右)。出典:ワタミ

 2013年10月に着工し、2014年11月の完成を予定する。出力は約15MW、年間発電量として約1500万kWhを見込む。固定価格買取制度(FIT)を利用して、北海道電力に42円/kWhで全量を売電する。従って、年間の売電収入は約6億円だ。

 厚真町のプロジェクトの完成後は、風力発電と太陽光発電を合計すると、ワタミグループの消費電力量の約16%を再生可能エネルギーでまかなうことになるという。

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