31MWのメガソーラーを千葉の鴨川に、事業を一貫して手掛ける意味とは自然エネルギー

日揮は太陽光や太陽熱を使った大規模な発電所を海外中心に展開している。2014年3月には千葉県鴨川市で出力31MWのメガソーラーを立ち上げる。国内のメガソーラーと海外のメガソーラーは位置付けが異なるという。何が異なるのだろうか。

» 2013年10月03日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 プラントなどのエンジニアリングを手掛ける日揮は海外で再生可能エネルギーを利用した発電所の実績を積んでいる。2010年のスペイン(太陽熱発電)や2011年のサウジアラビア(太陽光発電)が代表例だ。

 同社は大規模な再生可能エネルギー開発、特にメガソーラーについて、国内市場よりも海外市場を重視している。「メガソーラーを建設できる土地が国内では既に限られている。世界的には中東や北アフリカなどが成長すると考えている。これらの地域にある産油国は石油を外貨獲得手段と考えており、自家消費する電力を石油ではなく太陽から得ようとしているからだ」(日揮)。

 日揮は2013年9月、国内で2カ所目*1)となるメガソーラーの事業計画を明らかにした。なぜ海外を重視するにもかかわらず、国内で立ち上げるのか。「(売電収入はもちろんだが)事業開発から設計・調達・建設(EPC)までを一貫して手掛けることに意味がある。他の事業者のように事業者だけ、サブコントラクタだけでは得られないメリットがあるからだ。今回の計画のように事業者とEPCを両方手掛けることで、事業の経済性が高まり、発電所を立ち上げるまでに必要な時間が短くなると考えている」(日揮)。

*1) 国内初の事例は大分県で取り組んだ。2013年5月に日産自動車の所有地で、26MWのメガソーラーを立ち上げた(関連記事)。

鴨川市に31MWのメガソーラーを建設

図1 千葉県鴨川市の位置

 国内で2カ所目のメガソーラーは、千葉県鴨川市の林地に建設する(図1)。総投資額は約100億円。三井住友銀行、千葉銀行、常陽銀行とプロジェクトファイナンス契約を2013年9月に締結し、資金を調達する。2014年3月に着工し、2015年1月に売電を開始する予定だ。

 埼玉県川口市に本社を置く大蓉工業(川口市)の所有地に立ち上げる。面積約36万m2の土地を借り上げる形だ。

 完成後は日揮が出資(100%)した鴨川みらいソーラーが発電所を運営する。固定価格買取制度(FIT)を利用して、20年間東京電力に売電する。想定年間発電量は具体的な値を公表しておらず、一般家庭約1万1000戸分の年間消費電力量に相当するとした。

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