上半期の電力販売量は8地域で縮小、九州と沖縄だけ前年比で増加エネルギー管理

2013年度の上半期(4〜9月)も電力販売量は減少を続け、企業向けと家庭向けの両方で需要が縮小した。地域別に見ると関西の減少率が最も大きく、前年比で1.5%の減少だった。九州と沖縄を除く8つの地域で販売量が減り、特に製造業における需要の減衰が顕著に見られる。

» 2013年11月05日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 電力会社の多くは上半期の決算で業績を回復させたが、市場そのものは縮小が続いている。電気事業連合会がまとめた電力会社10社の販売量を見ると、ほぼ全面的に減少したことがわかる(図1)。前年よりも増えたのは九州と沖縄の2地域だけで、残る8地域は1%前後の減少になった。

図1 2013年度上半期(4月〜9月)の電力販売量の前年比。出典:電気事業連合会

 地域別では関西の減少率が最大で1.5%だった。特に落ち込んだのは製造業を中心とする「産業用その他」の電力で、前年から2.4%も少なくなった。他の地域でも製造業の需要が減っていて、一般企業が使う「業務用」と比べて減少率が大きい。関西を含めて各地域で電気料金の値上げが相次いだ結果、使用量の多い製造業で節電対策が進んだものとみられる。

 このほかで減少傾向が目立つのは、小規模な店舗や工場が利用する低圧の「電力」である。10社の合計で2.3%の減少になり、中でも東北と北陸は6.2%も縮小した。

 一方で「業務用」は減少率が小さく、10社の合計で0.3%減にとどまった。最大市場の東京で1.7%も減少したが、逆に7つの地域では前年よりも販売量が増えている。夏の猛暑の影響もさることながら、オフィスの節電対策が後退した懸念もある。

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