紡績工場跡地を発電所に、松山で9.4MWの太陽光自然エネルギー

四国で多数の太陽光発電所を立ち上げようとしている四電工グループが、愛媛県に出力9.4MWの設備を作り上げる。クラボウの紡績工場跡地を利用する。

» 2014年02月07日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 松山市と発電所の位置

 拡張予定のない工場の遊休地や、工場跡地は太陽光発電に適している。地盤がしっかりしており、平らで、排水の問題もないからだ。日照を遮る設備が周囲にあまりないこと、電力系統に接続するための設備を新設する必要が少ないことも有利に働く。

 ヨンコーソーラーが松山市で取り組むメガソーラーもこのような立地にある(図1)。クラボウが2013年6月まで北条工場として利用していた跡地(松山市北条、約10万6000m2)を2014年5月から賃借し、太陽光発電所として再利用する。北条工場は瀬戸内海の斎灘に面している。「現在はクラボウが工場設備を撤去工事中だ。敷地は平たんで、形状も長方形に近い」(四電工)。

 約25億円を投じて、2014年8月末ごろに着工し、2015年末ごろに運転を開始する。直流出力9.4MW(交流出力7.5MW)であり、想定年間発電量は一般家庭2800世帯の年間消費電力量に相当する1000万kWhだ。発電した電力は全量を20年間四国電力に売電し、年間約3億6000万円の売電収入を見込む。

 事業主であるヨンコーソーラーは四電工の100%子会社。EPC(建設・調達・建設)を四電工が引き受け、O&M(管理・運営)はヨンコーソーラーが自社で取り組む。

四国を中心に取り組む四電工

 四電工は今回のメガソーラーを含め、10カ所の太陽光発電所を手掛けている(図2)。全て四国内の案件であり、合計出力は22.54MWだ。香川県三豊市に立ち上げた出力2.5MWの太陽光発電所以外は、全て建設・計画中である。「今後は四国に限らず、各地で太陽光発電所に取り組むべく、関係者と協議中だ」(四電工)。

図2 四電工が取り組む太陽光発電所 出典:四電工

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