日産自動車は開発中の電気トラック「e-NT400テストトラック」を利用した実証運行を開始する。富山市と協力し、資源ごみ回収車として約2カ月間運行する。
日産自動車は二酸化炭素(CO2)を排出しないゼロエミッション車の拡大に取り組んでいる。「リーフ」に続き、2014年中に小型商用バン「e-NV200」を欧州と日本で発売する。次はトラックだ。
「2013年には、日本郵政や生活協同組合ユーコープ、みやぎ生協とそれぞれ協力し、実証運行を重ねてきた。2014年4月からは初めて行政と共同で実証運行を開始する」(日産自動車)。
日産自動車と共同で実施するのは富山市(図1)。同市は2005年に公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりという方針を打ち出し、2008年には環境モデル都市*1)として国から認定されている。ゼロエミッションという方向性が一致したため、共同で実証運行を進めることになった。
*1) 環境モデル都市の選定条件は5つある。大幅なCO2削減目標と先導性・モデル性、地域適応性、実現可能性、持続性だ。2008年に富山市など6都市が選ばれ、2014年3月末時点では23都市に増えている。
実証運行に使うのは、小型トラック「アトラス」をベースにリーフのモーター(80kW)とバッテリー(24kWh)を組み合わせた「e-NT400テストトラック」(図2)。JC08モードで約62km連続走行可能であり、急速充電(30分間で80%容量)機能を備えている。実証運行のために日産自動車が貸与する車体(1台)にはなんら改造を加えていないという。
実証運行の内容は、富山市環境センターが管理する資源ゴミ回収ステーションから、処理場への輸送業務を果たすことだ。資源ゴミ回収車として動く。
今後は富山市における走行性能や充電運用を検証しつつ、さらに国内で実証運行を重ね、今後の開発に生かす。
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