電気自動車にかける日産、第2弾を2014年度に国内投入電気自動車

トヨタ自動車が水素を利用した燃料電池車の市販を急ぐ一方で、日産自動車は「リーフ」に次ぐ電気自動車の第2弾で攻勢をかける。2014年の半ばにスペインのバルセロナ工場で生産を開始する商用バンの「e-NV200」を日本市場にも2014年度中に投入することを決定した。

» 2013年11月18日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 日産自動車は11月20日から始まる「第43回東京モーターショー2013」(11月20日〜12月1日、東京ビッグサイト)で「e-NV200」を参考出品する(図1)。すでに運輸会社などが東京都心や横浜市内でテスト利用を開始していて、2014年度の市販に向けて走行性能や充電性能などを実証中である。

図1 「e-NV200」のコンセプトカー。出典:日産自動車

 現時点でe-NV200の諸元は公表されていないが、乗用車の「リーフ」に搭載している技術や部品と共通化を図ることから、主要な性能はリーフと同等になると予想できる。航続距離はリーフが標準のJC08モードで228キロメートルであり、e-NV200も同様に近距離の走行に適した電気自動車と言える。

 車体は多目的バンの「NV200」をベースにして、荷室の広い2人乗り(図2)のほか、5人乗りと7人乗りを加えた3タイプを投入する予定だ。特に近距離の利用が多い配送車両の用途を狙っている。

図2 後部の荷室。出典:日産自動車

 電気自動車はガソリン車やハイブリッド車と比べて航続距離が短く、充電にも時間がかかる難点を抱えている。日産はリーフで先行したものの、期待されたほど市場は広がっておらず、商用車の投入で需要を喚起したい考えだ。三菱自動車工業も電気自動車の「i-MiEV」を乗用車と商用車に展開しており、両社が新市場を牽引する役割を担う。

 一方でトヨタ自動車は航続距離をガソリン車並みに長くできる燃料電池車に力を入れている。2015年に4人乗りの乗用車を市販する計画で、電気自動車の製品ラインを拡大する日産とのあいだで戦略の違いが明確になってきた。

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