ホンダと組んだGM、480万kmを燃料電池車で走り込む電気自動車

米General Motorsは、2014年5月、「シボレー エクイノックス」の燃料電池車モデルを用いた実証実験において、累計走行距離が480万kmに達したと発表した。約60万リットルのガソリンを節約した計算になるという。

» 2014年05月16日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 米General Motors(GM)は2014年5月、北米の公道における燃料電池車の実証実験において、累計走行距離が約480万km(300万マイル)に達したと発表した。水素を燃料として使うことで、ガソリンに換算すると約60万リットル(15万7894ガロン)の消費を節減できたことに相当するという。

 実証実験に用いているのは中型のクロスオーバーSUVである「Chevrolet Equinox Fuel Cell」(図1)。市販のChevrolet Equinoxはガソリンエンジンを搭載しており、水素燃料電池を搭載したプロトタイプ車を実証実験に用いた。最も長く走行した燃料電池車の走行距離は約19万3000km(12万マイル)に達したという。

図1 水素燃料電池システムを搭載した「Chevrolet Equinox Fuel Cell」 出典:General Motors

 同社が燃料電池車の実証実験「Project Driveway」を開始したのは2007年。それから119台の車両と5000人以上のドライバーが参加し、燃料電池車の機能性と運転性を開発チームにフィードバックしてきた。

 発表資料において、同社のエクゼクティブディレクターでグローバル燃料電池エンジニアリングアクティビティーズを担当するチャーリー・フレーゼ(Charlie Freese)氏は次のように述べている。「水素燃料電池技術は当社の先進的なパワートレーン技術において重要な位置を占めており、引き続き推進する。燃料電池車は7回訪れた冬の間中、走行しており、さまざまな環境条件も網羅している。このことから、燃料電池車はドライバーの(市販された後に起こる)諸要求にかなっている」。

ホンダと組んで技術開発

 GMは燃料電池車の開発と普及のために独自の研究開発を続けてきた。2013年7月には次世代燃料電池と水素貯蔵システムの共同開発について、ホンダと長期的な技術契約を結んだことを発表している。GMとホンダは2020年ごろの実用化に向けた共同開発であるとしている。

 米国で発表されている「クリーン・エネルギー特許成長指数」において、両社は2002年から2012年における燃料電池に関する米国特許を1200以上保有しており、2013年にはGMは1位に、ホンダは2位にある。

 なお、ホンダは日本国内市場の一般ユーザーに向けた燃料電池車の市販を、2015年に開始する予定である(関連記事)。

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