最高気温35度の猛暑日に、長野県全域で11.3%のピークカットスマートシティ

長野県は2011年の夏から実施している「さわやか信州省エネ大作戦」の一環で、猛暑日の7月30日(水)に県を挙げてピークカットに取り組んだ。その結果、ピーク時間帯の13時〜16時の最大電力は、2011年に同様の天候だった日と比べて30万kW、比率にして11.3%も削減することができた。

» 2014年08月14日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 7月30日(水)に実施した「ピークカットチャレンジ」は家庭・企業・行政機関が一体になって節電に取り組むキャンペーンで、家庭には外出を、企業や行政機関には空調や照明の効率的な運用を促進した。当日は県内の最高気温が35.1度に達する猛暑日だったが、県全域の最大電力は13時〜16時の平均で239万kWに収まり、2011年の同様の日(7月28日)と比べて30万kWも少なくなった(図1)。

図1 「ピークカットチャレンジ」の実施結果。出典:長野県環境部

 時間帯別の電力需要を見ると、朝の9時台から削減幅が大きくなり、夕方の16時台まで30万kW前後の削減が続いている(図2)。日中の節電対策が効果を発揮したことがわかる。ピークの14時台でも2011年と比べて27万kWを削減できて、削減率は10%を超えた。

図2 時間帯別の電力需要。出典:長野県環境部

 長野県はピークカットチャレンジの実施に合わせて、3軒の家庭、7社の事業所、7カ所の市役所で電力使用量を測定した。事業所で最も節電効果が大きかったのは「セイコーエプソン」の本社で、2011年と比べて最大電力を36.4%も削減することができた(図3)。このほかの主な業種では、商業施設の「ながの東急百貨店」が27.9%、金融機関の「八十二銀行」の本店が5.7%の削減率だった。

図3 主な事業所の取組内容と結果。出典:長野県環境部

 長野県は震災後の2011年の夏から「さわやか信州省エネ大作戦」を実施して、夏と冬の電力需要が増大する時期に県を挙げて節電対策に取り組んでいる(図4)。2014年の夏は6月13日(金)〜9月30日(火)を実施期間に設定して、2011年と比べて最大電力を7%削減する目標を掲げている。

図4 「さわやか信州省エネ大作戦」の効果。出典:長野県環境部

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