電力使用量に応じて照明を暗くできるHEMS、空気の汚れもチェックエネルギー管理

パナソニックが家庭向けエネルギー管理システムの「スマートHEMS」の機能を強化して、照明の自動制御や空気清浄機と連携した空気環境の管理までを可能にする。ハウスダストやニオイの情報も時間帯ごとに表示することができる。HEMSに接続できる機器は合計で20機種になる。

» 2014年11月21日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 「スマートHEMS」には業界で初めての機能が2つ加わる。1つはHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)から照明のスイッチを自動で制御して減光や調光できる機能だ(図1)。HEMSで1日あたりの電力使用量の目標値を設定しておくと、それに合わせて照明を自動的に暗くすることができる。減光率は10%、20%、30%のいずれかを選択する。

図1 「スマートHEMS」のシステム構成例。出典:パナソニック

 もう1つの業界初の機能は、空気清浄機と連携した空気環境の管理だ。2015年4月に発売する天井埋め込み型の空気清浄機と温湿度センサーを組み合わせて使う。HEMSの画面には空気清浄機を設置した部屋ごとに「ハウスダスト」「PM2.5」「ニオイ」の状態を6段階で表示する(図2)。その情報をもとに空気清浄機の運転・停止をHEMSから実行して無駄な運転を防ぐことができる。

図2 空気の状態を確認する画面。部屋ごとの情報(上)、時間ごとの情報(下)。出典:パナソニック

 さらにHEMS対応の電磁調理器(IHクッキングヒーター)の運転状態と連動して、空気清浄機の風量を制御することも可能になる。HEMSで感知したニオイの情報をもとに空気清浄機の風量を自動的に調整する機能を装備した。

 照明や空気清浄機とHEMSのあいだは、特定小電力(920MHz/426MHz)の無線通信で情報をやりとりする。HEMSには太陽光発電システムやエネファームのほか、ガスセンサーや水センサー、床暖房、テレビ、パソコン、スマートフォンなど合計20種類の機器を接続することができる。テレビやパソコン、スマートフォンからはWi-Fiで通信する必要がある。

 全国の電力会社は2016年4月の小売全面自由化に向けて、家庭にもスマートメーターの設置を進めていく計画だ。スマートメーターとHEMSのコントローラを国内標準規格の「ECHONET Lite」で接続すれば、スマートメーターで計測した電力使用量のデータをHEMSに取り込むことが可能になる。

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