エッジ・エナソル・ジャパンは2015年3月、他社が北海道帯広市に建設を予定しているメガソーラーに大容量蓄電システムを導入するための北海道電力との技術協議を完了したと発表した。韓国SK Innovationが2016年12月のメガソーラー稼働までに蓄電池を納入する。大容量であることの他に、北海道電力の示す条件に適合し、国産メーカー品よりも大幅に低コストだという。
大規模太陽光発電の導入に厳しい条件が課されている北海道。既に接続可能量を超過しているため、新規に設備を立ち上げる発電事業者は厳しい出力抑制を受け入れざるを得ない状況下にある。
出力2MW以上のメガソーラーに対してはもう1つ条件がある。周波数調整の制約により、「蓄電池等による出力変動の緩和対策」を求められるのだ(図1)*1)。
*1) 北海道電力は住友電気工業と共同で、「下げしろ対策」と周波数変動対策を目的とした型蓄電システム緊急実証事業に2013年度から2017年度まで取り組んでいる(関連記事)。
このような制約に呼応する企業が現れた。エッジ・エナソル・ジャパンは2015年3月13日、他社が北海道帯広市に建設を予定している出力約4MWのメガソーラーに大型蓄電システムを導入するための北海道電力との技術協議を完了したと発表した(図2)。2016年12月のメガソーラー稼働に向けて事業が進み始める。
導入するリチウムイオン蓄電池システムは容量4.4MWh、出力3.3MWという大規模なものだ。電池メーカーである韓国SK Innovationが国際標準の40フィートコンテナに収めて納入する。
コンテナ内部に蓄電池用の交流直流変換装置を備えており、太陽光発電所のパワーコンディショナーの交流出力を一時的に蓄え、その後、系統に流す形を採る。「4.4MWh、3.3MWという仕様は帯広市のメガソーラーに合わせて設計したものであり、他のメガソーラーに納入する場合には、最適な設計値を選択可能だ」(エッジ・エナソル・ジャパン)。
SK InnovationがドイツFraunhofer研究所(Fraunhofer IFF)に納入したコンテナ型リチウムイオン蓄電池システムの外観を図3に示す。この事例では出力1MW、容量0.5MWhのシステムを納入しており、2014年2月には州首相を招いてマイクログリッドシステムのデモンストレーションを披露している。日本国内向けのSK Innovationの事例は今回が初だ。
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