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» 2015年04月24日 09時00分 UPDATE

和田憲一郎が語るエネルギーの近未来(11):水素資源も含めた、多様なエネルギーサプライチェーンが不可欠 (2/4)

[和田憲一郎(エレクトリフィケーション コンサルティング),スマートジャパン]

燃料電池開発情報センターのミッションとは

吉武市 FCDICのミッションは、燃料電池の技術開発および導入・普及を促進することにある。現在の会員数は団体115、学術会員74、特別会員(独立行政法人)4、それに海外会員9となっている。主な活動としては、機関誌「燃料電池」(図1)を年4回、年報「日本における燃料電池の開発」(図2)の発行がある。創刊14年となる機関誌の燃料電池は、投稿論文を受け付けている。

rk_150427_wada02.jpgrk_150427_wada03.jpg 図1・2 燃料電池開発情報センターが発行している機関誌「燃料電池」と年報「日本における燃料電池の開発」出典:燃料電池開発情報センター

 年報についてはセンターが発足した翌年から和文・英文を別冊で発行しており、2014年度からは会員向けだけでなく一般向けにも発行している。さらに“2日間で日本の燃料電池開発のすべてが分かる”をキャッチコピーに、研究開発状況の発表会である「燃料電池シンポジウム」や、講習会・セミナー、特定テーマを少人数で議論するミニ勉強会、初心者向けの「寺子屋式講習会」も開催している(図3)。

rk_150417_wada04.jpgrk_150417_wada05.jpg 図3 燃料電池開発情報センターが開催しているシンポジウムと寺子屋式講習会の様子 出典:燃料電池開発情報センター

 2011年3月11日の東日本大震災以降、従来とは違った広い分野からの期待が高まったと感じている。というのは当時、電力やガスなどのエネルギー源が広範囲に寸断されたことから、今後は個人単位でも複数のエネルギー供給源を確保しておかないと危ないのではとの声があった。その1つとして幅広い分野の中から、独立電源として発電が可能な燃料電池への期待が高まったように思う。

 FCDICは設立以来、任意団体として活動してきたが、上記のように燃料電池への期待の高まりを受け、新たに幅広い領域との接点が増えると予想し、2014年8月から非営利型の一般社団法人として衣替えを行った。2016年7月に設立30周年を迎えることから、記念事業を企画している。

 燃料電池に関してはFCDIC以外にも幾つかの団体がある。燃料電池実用化推進協議会は、燃料電池の実用化と普及に向けた課題解決のための具体的検討を行い、政策提言を行っている。また水素エネルギー協会は大学の方々が集まる研究会のような立場として設立されたものである。最近は産業界からの参加団体も増えている。水素供給・利用研究組合については、FCVの一般ユーザーへの普及を目指し、FCVのインフラとしての社会的受容性と事業としての成立性を実証研究する組織だ。それぞれの組織が連携しながら水素社会の実現を目指して取り進めている。

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