LNGの輸入量が4年間に25%増加、近隣のアジア大洋州から半分以上化石燃料に依存する日本の電力事情(3)(2/3 ページ)

» 2015年07月24日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

日本のLNG輸入量は中国の5倍も

図3 世界のLNG輸入量の国別シェア(2013年)。出典:資源エネルギー庁(BPの資料をもとに作成)

 すでに日本は世界の中でも最大のLNG輸入国になった。2013年に各国間で取引されたLNGの輸入量のうち3分の1以上を日本が占めている(図3)。第2位の韓国と比べても2倍以上の規模で、中国の5倍近い輸入量がある。

 電力を中心にLNGの消費量が拡大するにつれて、最近はカタールやオマーンなどの中東諸国、さらにロシアからの輸入も増えてきた(図4)。これからは中東諸国やロシアの比率が高まっていく見通しだ。

図4 日本向けLNGの国別の輸入量。出典:資源エネルギー庁

 というのも天然ガスの生産量を地域別に見てみると、ロシアを中心にヨーロッパが最も多い(図5)。次いで北米、中東、アジア大洋州の順になっている。日本が依存するアジア大洋州の埋蔵量はヨーロッパや中東と比べて少ないことから、今後の増産は期待しにくい。

図5 地域別の天然ガスの生産量。出典:資源エネルギー庁(BPの資料をもとに作成)

 代わって輸入量が増える可能性が大きいのは北米だ。特に米国では新しい天然ガスとして注目が集まるシェールガスの生産量が2007年あたりから急速に伸びてきた。これまで米国から日本にはLNGを輸入できなかったが、シェールガスの拡大に伴って2018年から輸入が解禁になる。米国が輸入先に加われば、日本にとって安全性の高い調達ルートが広がる。

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