室内のCO2濃度で「人の存在」を検知、空調を最適に制御して省エネに省エネ機器

アズビルは「CO2濃度制御アプリケーション」機能を追加した可変風量制御(VAV)用コントローラー「InfilexVC(インフィレックス ブイシー)」の販売を開始した。センサーで室内のCO2濃度や温度を検知し、在室者の有無に合わせて最適に空調をコントロールできるという。

» 2015年08月06日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]
図1 可変風量制御(VAV)用コントローラー「InfilexVC(インフィレックス ブイシー)」 出典:アズビル

 オートメーション事業を手掛けるアズビルは、このほど「CO2濃度制御アプリケーション」機能を追加した可変風量制御(VAV)用コントローラー「InfilexVC(インフィレックス ブイシー)」(図1)の販売を開始した。CO2濃度制御アプリケーション機能により、室内のCO2濃度と温度に合わせてVAVユニットの風量を適切にコントロールし、室内快適性を損なわずに省エネルギーを実現するという。また新機能の構成機器である室内のCO2濃度と温度の計測が行える新製品「室内用CO2濃度・温度センサ」(図2)も併せて発売した。

 VAVは空調方式の1つで、室内負荷に応じて送風量を変えることにより冷暖房能力を調節する方式だ。室内サーモスタット(温度センサー)によりVAVユニットを制御する。従来のVAVユニットは、居室内に設置された温度センサーから得た室温情報に応じて風量調節を行っており、在室者がいない部屋でも送風が行われるためエネルギーの無駄が発生していた。

図2 「室内用CO2濃度・温度センサ」(壁取り付けタイプ)出典:アズビル

 CO2濃度制御アプリケーションを内蔵したInfilex VCは、センサーで検知したCO2濃度と室内温度をもとに、VAVユニットの風量を制御する。在室者の人数によって変化するCO2濃度を捉えてVAVユニットの風量を制御するため、人数の少ない部屋は風量を抑制し、不在となった場合は風量をゼロにできる。快適性を維持しながら省エネルギーを可能にした。同社では「CO2濃度制御アプリケーション機能は、一日の中で利用人数の増減の多い会議室フロアや、役員フロアなどの小部屋の省エネルギーに最適」としている。

 同機能を搭載したInfilex VCの販売価格は6万5000円。アズビルは室内用CO2濃度・温度センサー(販売価格20万円)とともに、今後、オフィスビルやテナントオフィスビルに向けて初年度1000セットの販売を目指す方針だ。

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