連載
» 2015年09月29日 09時00分 公開

大型風車65基を高原に新設、街には太陽光とバイオマスエネルギー列島2015年版(24)三重(2/3 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]

住宅街に太陽光発電所を併設

 太陽光発電では、愛知県との県境にある木曽岬(きそさき)の干拓地に建設したメガソーラーの規模が大きい。三重県と愛知県が所有する78万平方メートルの土地に、49MWの発電能力で2014年12月に運転を開始した(図4)。年間の発電量は5200万kWhを想定していて、1万4500世帯分の電力を供給することができる。発電事業者は新電力で大手の丸紅のグループ企業だ。

図4 「木曽岬干拓地メガソーラー」の全景(画像をクリックすると拡大)。出典:三重県雇用経済部

 この干拓地は木曽川の河口にあり、国が農業用地として1960年代から開発を進めてきた。その後の産業構造の変化を受けて、全体で440万平方メートルの面積の4分の3を都市型の用地に転換する方針だ。メガソーラーは干拓地の中で最大の施設になった。

 三重県では住宅地に隣接する場所に太陽光発電を導入する事例が増えている。風力発電所が集まる青山高原の西側に、近畿日本鉄道(近鉄)が開発した「ゆめが丘住宅地」がある。2000戸の住宅地が広がる一角に「近鉄伊賀ゆめが丘ソーラー発電所」が2014年10月に運転を開始した(図5)。

図5 「近鉄伊賀ゆめが丘ソーラー発電所」の全景(左)、太陽光パネルの設置状況(右)。出典:近畿日本鉄道

 近鉄が所有する23万平方メートルの土地を利用して、発電能力は15.5MWある。三重県で最大のメガソーラーで、年間の発電量は4700世帯分になる。発電した電力は固定価格買取制度を通じて全量を中部電力に売電して、年間の売電収入は6億6000万円を見込んでいる。

 最近になって開発が進んだ住宅地の中には、街全体で太陽光発電を活用する例も出てきた。大和ハウス工業が桑名市の公募に応じて開発した「スマ・エコ タウン陽だまりの丘」では、66戸の住宅すべての屋根に太陽光パネルを設置したほか、住宅地の一角に「街の太陽光発電所」を建設した(図6)。

図6 「スマ・エコ タウン陽だまりの丘」の太陽光発電所(上)、超小型電気自動車用の充電ステーション(下)。出典:大和ハウス工業

 街の太陽光発電所は100kWの発電能力がある。売電収入は住宅の保守や街の管理に役立てる。住宅地の中では三重県が2人乗りの電気自動車の実証実験を開始して、入居者の移動手段として利用効果を検証中だ。電気自動車用の充電ステーションの屋根にも太陽光パネルを設置した。街全体でエネルギーの消費量を実質的にゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー・タウン」を目指す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.