“もうかる野菜”を省エネ生産、3原色のLEDを独立制御する植物工場スマートアグリ(2/2 ページ)

» 2015年10月26日 17時40分 公開
[長町基スマートジャパン]
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3原色のLEDを独立制御、高機能野菜の栽培を可能に

 今回、導入した水気耕栽培ユニット「AGRI Oh!」は、赤色・緑色・青色の各光源を独立制御できるLED光源を組み込んだのが特徴となる。光合成に必要な赤色、光形態形成や機能性成分の合成に必要な青色を植物の生育環境に合わせて選択的に照射することにより、収穫までの期間を短縮するとともに、ビタミン、カロテノイド、ポリフェノールなどの機能性成分を多く有する高機能野菜の栽培が可能となる。

 現在多くの完全人工光型植物工場では主要な光源に蛍光灯を利用しているが、LEDは電気をエネルギーに変える変換効率が高く、放熱も少なく長寿命であることから、空調などを含めた設備全体のランニングコスト削減にも貢献する。今回の場合、蛍光灯型植物工場の約半分に消費電力を削減できるという。

 同植物工場では環境省認定の「秦野名水」が流れるという恵まれた自然環境を前面に打ち立て、露地栽培よりも栄養成分を多く含む高機能野菜をキーストーンテクノロジーが展開する「横浜・馬車道ハイカラ野菜」などの「ハイカラ野菜」シリーズに加え「丹沢名水ハイカラ野菜」として販売していく計画だ(図2)。

図2 「AGRI Oh!」による植物工場事業のイメージ 出典:キーストンテクノロジー

 キーストーンテクノロジーによると植物工場ブームが進む中、一般的なレタス生産では採算が合わない植物工場が増加しているという。その中で機能性野菜など、従来農法の野菜とは異なる付加価値を持つ野菜をブランド化した“新世代植物工場事業モデル”の成功に向けて、同社では「機能性野菜栽培技術の研究開発と普及に注力する」としている。

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