ベルギー沖の北海海域に165MWの洋上風力発電所を建設自然エネルギー

住友商事は、ベルギー沖45kmに165MWの洋上風力発電所を建設する。大型の3.3MWの風力タービンを50基設置する。

» 2015年10月30日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 住友商事と欧州住友商事(本社=イギリス)は洋上風力発電事業開発運営会社のパークウィンド社(本社=ベルギー)などと洋上風力発電所を共同開発するノーベルウィンドプロジェクトを進めているが、このほどプロジェクトファイナンス組成を完了し、洋上風力発電所の建設を開始した(図1)。

photo 図1 洋上風力発電 出典:住友商事

 住友商事はこの事業に2014年6月に参画し(39.02%の株式取得)、ベルギー沖45km(水深約21〜37m)の北海海域で共同開発を進めてきた。このほど約4億6千万ユーロ(約620億円)のノンリコースプロジェクトファイナンスを組成し、2017年末の完工を目指して工事を進める。風力タービンはデンマークMHIヴェスタ社から大型の3.3MW(メガワット)機を50基調達する。総事業費は約880億円。発電容量は165MWで事業期間は完工後20年間。発電された電力はベルギー在の電力会社との長期契約に基づき売電され、その電力量は約18.6万世帯分に相当する。

 住友商事はこれまで日本国内をはじめ世界各地(米国、南アフリカなど)の発電事業に携わっており、洋上風力発電事業では2014年9月にベルギーで2案件(ヘルウィンド165MWおよびノースウィンド216MW)の事業に参画している。

 今回の事業は欧州洋上風力発電事業で日本企業が開発初期段階から事業会社(開発・運営主体)に出資参画する初めての案件となるという。今後、同社はこの事業を通じて培うノウハウを生かし、欧州洋上風力発電事業等に積極的に取り組んでいく方針だ(図2)。

photo 図2 洋上風力発電の設置場所 出典:住友商事

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