トヨタが描く「ミライ」の未来、クルマは移動体から電力インフラへ電気自動車(1/2 ページ)

2014年に世界初の量産燃料電池車「MIRAI」を発売したトヨタ。「東京モーターショー2015」では早くも2030年をイメージした新たな燃料電池車のコンセプトカー「FCV Plus」を世界発公開した。トヨタが描く自動車の将来ビジョンを表現している。

» 2015年11月02日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)は「東京モーターショー2015(TMS2015)」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)で、次世代燃料電池車(FVC)のコンセプトカー「FCV Plus」を世界初公開した(図1)。

 2014年11月に世界初の量産FCVとなる「MIRAI(ミライ)」を発表したトヨタだが、早くも将来を見据え、同社の描く“未来のFCV”のビジョンを提示している。

図1 トヨタが披露した次世代FCVのコンセプトカー「FCV Plus」(クリックで拡大)

 FCV Plusの外形寸法は全長3800mm×全幅1750mm×全高1540mm、ホイールベースは3000mmだ。今後のさらなる技術改良により将来的に小型化を見込んでいる燃料電池スタックをフロントタイヤ間に、水素タンクをリヤシート後方に搭載するなど、各部品を車両四隅に配置して室内空間を最大限に確保する。

 さらに4輪全てをインホイールモーターとし、ホイールベースを伸ばすことでセダン、クーペ、SUVなどさまざまな車体形状でもFCVにすることができるというコンセプトだ。遠隔操作でシートアレンジを自在に変更したり、ハンドルを収納したりといった機能も備えている。

 とはいえこのFCV Plusは“水素社会が実現した2030年”をイメージしたコンセプトカーであり、詳細な車両のスペックだけに着目してもあまり意味が無い。特徴的なのはトヨタが示した未来のクルマの在り方だ。

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