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» 2015年11月27日 09時00分 公開

電力供給サービス:世界最先端の石炭ガス化発電所、福島県の2カ所で2016年9月に着工へ (2/3)

[石田雅也,スマートジャパン]

2020年のオリンピックに間に合わせる

 火力発電に伴うCO2排出量の削減が急務の政府と電力業界にとって、IGCCにかける期待は大きい。すでに勿来発電所ではIGCCを採用した日本で初めての商用機が2013年6月に運転を開始している。発電能力は25万kW(キロワット)で、IGCCの連続運転時間で世界記録を達成した実績もある。

 この既設のIGCCに隣接する場所に、発電能力が2倍以上の54万kWの設備を新設する(図4)。計画では2016年9月に着工して、3年後の2019年10月に試運転を開始する予定だ。その後11カ月間の試運転を経て、2020年9月に営業運転に入る。

図4 「勿来発電所」の全景とIGCC設備の設置イメージ。出典:東京電力、常磐共同火力

 福島のIGCCプロジェクトは2020年の夏に開催する東京オリンピック・パラリンピックを機に、世界に向けて大震災からの復興を印象づける狙いもある。勿来発電所のIGCCは試運転の状態ながら2020年の夏には間に合う見込みだ。

 もう1カ所の広野火力発電所にも、同規模のIGCC設備を新設する(図5)。着工時期は勿来発電所と同じ2016年9月を予定しているが、既設の設備の改良工事を伴うため、完成までに1年長くかかる見通しだ。オリンピック直後の2020年10月に試運転を開始して、2021年9月に営業運転へ移行する。

図5 「広野火力発電所」の全景とIGCC設備の設置イメージ。出典:東京電力

 広野火力発電所では現在6基の設備が稼働中で、石油火力4基と石炭火力2基で構成している(図6)。石油火力のうち2基は現時点でも運転開始から35年を経過しているため、2020年代には廃止する可能性が大きい。残る2基の石油火力発電設備を含めて、高効率の石炭火力へ順次移行していくことになる。

図6 「広野火力発電所」の既存設備。出典:東京電力

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