「回生電力の吸収では、出力(キロワット)が大きな電池系統を必要とし、非常時の電池系統では容量(キロワット時)がなくてはならない」(多摩都市モノレール)。
多摩都市モノレールが選んだのは、GSユアサが開発した「E3 Solution System」だ。GSユアサは2015年11月24日に装置の構成を発表。多摩都市モノレールの要求に応じて、回生用と非常用の2つの系統を備えた電力貯蔵装置となった。「2006年にE3 Solution Systemを製品化しており、今回は6番目の導入事例となる」(GSユアサ)*2)。
回生吸収用リチウムイオン電池の容量は、74.88キロワット時。非常走行用リチウムイオン電池の容量は202.46キロワット時。この2つを用途によって切り替え、1000キロワットの双方向DC/DCコンバータ2台を経由して、き車線(線路)に送り出す(図4)。
*2) GSユアサは3つの導入事例を明らかにしている。JR西日本北陸本線の新疋田変電所(1080キロワット、2006年)、鹿児島市交通局の桜島桟橋通停と中洲通停(250キロワット、2007年)、東武鉄道の上福岡き電区分所(1800キロワット、2012年)である。
回生吸収用には、同社の電池モジュール「LIM25H-8」を26直列4並列に接続した(図5)。同モジュールは高出力に特徴があり、充放電電流は600アンペアだ(容量25アンペア時、電圧28.8ボルト)。
非常走行用は容量が大きい「LIM50EN-12」。これを16直列6並列に並べた。モジュールの容量は47.5アンペア時(電流300アンペア、電圧44.4ボルト)。
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