東京ガスと東京電力が共同実証、スマートメーターでガス検針を自動化電力供給サービス

検針員による毎月の目視検針業務が自動化できれば、電力会社がガス会社にとっては大きなコスト削減になる。東京ガスと東京電力はガス検針業務の自動化に向け、2016年1月から東京電力のスマートメーターを活用した共同実証に取り組む。

» 2015年12月22日 13時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 東京ガスと東京電力はガス検針業務の自動化に向け、東京都内で共同実証実験を開始すると発表した。東京電力のスマートメーターおよびスマートメーターシステムを活用するもので、2016年1月から開始する。

 実証実験の対象となるのは東京都小平市にある合計約500戸の住宅。戸建住宅450戸と集合住宅1棟(50戸)という内訳だ。これらの住宅に対して東京電力が既に設置しているスマートメーターと、東京ガスが新たに設置する試験用ガスメーターを無線通信で接続する。そして東京電力のスマートメーターシステムを活用し、東京ガスが試験用ガスメーターの検針データを取得するというのが実証実験の内容だ(図1)。

図1 実証実験のイメージ 出典:東京ガス、東京電力

 東京ガスは試験用ガスメーターと東京電力のスマートメーターとの通信成功率や、通信所要時間などの確認を行う。この結果をもとに検針業務の自動化に必要な装置やシステム全体の性能・有効性を検証していく狙いだ。一方、東京電力はスマートメーターおよびスマートメーターシステムを活用した新たな事業展開に向けて、技術・運用面での課題抽出を行っていく。実証期間は2016年1月から8カ月間の予定だ。

 なお、東京電力は同社の管轄内に2015年12月15日現在、約370万台のスマートメーターを設置済み。2020年度までに全てのユーザー宅、合計2700万台の設置を済ませる計画を掲げている。

 2016年4月からは電力の小売全面自由化、そしてその後にはガスの自由化も控えている。東京電力と東京ガスは新たな自由化市場においてライバル関係にあるといえるが、検針業務について共同で効率化を図ることで、互いに新規参入事業者対する競争力を高めていく狙いだ。

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