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» 2016年01月05日 09時00分 公開

市民が広げる太陽光発電とバイオマス、産業とエネルギーを地域循環型にエネルギー列島2015年版(37)香川(2/3 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]

発電所の建設用地は数多くある

 香川県の再生可能エネルギーと言えば、讃岐うどんの廃棄物を利用したバイオマス発電が有名だ。地元の機械メーカーや製麺会社が中核になって「うどんまるごと循環プロジェクト」に取り組んでいる。バイオガス発電プラントを建設して、2013年12月から固定価格買取制度を通じて売電を開始した。うどんの製造工程で生まれる廃棄物を発酵させて、ガスを精製して発電する、日本で初めての「うどん発電」である(図3)。

図3 「うどんまるごと循環プロジェクト」のサイクル。中央上部がバイオガス発電プラント。出典:うどんまるごと循環コンソーシアム

 2014年の実績では年間に300万トンの食品廃棄物を使って、7万5000kWhの電力を作り出した。さらに発酵の過程で生まれる液体肥料を小麦畑に散布して、うどんの原料になる小麦の栽培に利用する。収穫した小麦を使って、手打ちうどんの体験ツアーも始まっている。再生可能エネルギーと農業・観光を組み合わせた地域振興策のモデルケースだ。

 地域主導型で太陽光発電とバイオマスの導入が進む一方、大手の発電事業者によるメガソーラーの建設計画も相次いで始まった。すでに運転を開始したメガソーラーの中で、規模が最も大きいのは「サンシャインパーク仁尾」である(図4)。瀬戸内海に面して塩田を埋め立てた用地に四電工グループが建設した。

図4 「サンシャインパーク仁尾」の所在地(上)と全景(下)。出典:仁尾太陽光発電

 約3万2000平方メートルの敷地には、1万枚の太陽光パネルが並んでいる。発電能力は2.5MWで、年間に260万kWhの電力を供給することができる。一般家庭で720世帯分に相当する。このメガソーラーを建設した場所には、1981年に世界で初めて太陽熱を利用した発電所が稼働していた。一帯は日射量が多いことで知られる地域だ。

 冒頭に紹介した2つの太陽光発電所がある高松市の同じ町内には、いちごグループが2015年6月に運転を開始した「いちご高松国分寺町新居ECO発電所」がある。以前はゴルフ場があった7万7000平方メートルの土地に、地形を生かしながら9000枚の太陽光パネルを設置した(図5)。発電能力は2.4MWになり、年間の発電量は310万kWhを見込んでいる。

図5 「いちご高松国分寺町新居ECO発電所」の全景。出典:いちごECOエナジー

 高松市の沿岸部ではJX日鉱日石エネルギーが2月に、ガソリンなどの石油製品を貯蔵する油槽所の跡地にメガソーラーを稼働させた(図6)。発電能力は1.4MWで、JXグループが製油所や油槽所の跡地を活用して全国に展開する8カ所目のメガソーラーだ。面積が小さい香川県にもメガソーラーを建設できる場所はまだまだ残っている。

図6 「高松メガソーラー発電所」の全景。出典:JX日鉱日石エネルギー

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