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» 2016年01月05日 09時00分 公開

市民が広げる太陽光発電とバイオマス、産業とエネルギーを地域循環型にエネルギー列島2015年版(37)香川(3/3 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]
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ため池や島にもメガソーラーを造る

 瀬戸内海地域の気候は年間を通して温暖で、降水量が少ない。古くから干ばつに見舞われることも多く、香川県内には農業用のため池が数多く点在する。その数は1万4000以上にのぼり、兵庫県と広島県に次いで全国で3番目に多い。県の面積に対する密度では全国で1位だ。

 高松市の内陸部で江戸時代に造られた「新池」と呼ぶ大きなため池がある。25万平方メートルある水面の一部を利用して、水上メガソーラーを建設する計画が始まろうとしている(図7)。

図7 水上メガソーラーを建設する「新池」。出典:農林水産省

 池の水面に1万枚の太陽光パネルを浮かべる方式で、発電能力は2.7MWを想定している。予定通り2016年7月に稼働すると、国内で最大の水上メガソーラーになる。発電事業者は埼玉県で国内初の水上メガソーラーを稼働させたウエストグループである。

 香川県は島の数も多くて100カ所以上ある。その中でも最大の小豆島と近隣の直島では2014年からメガソーラーが運転を続けている(図8)。電気工事の旭電業が中国・四国地方に展開するメガソーラー事業の一環で建設した。2カ所を合わせた発電能力は2.9MWに達する。

図8 「旭メガソーラー小豆島発電所」(上)と「旭メガソーラー直島発電所」(下)の全景。出典:旭電業

 小豆島と直島には岡山県側から海底ケーブルで送電線が敷設されていて、中国電力が電力を供給している。直島では2013年に海底ケーブルの故障で長時間にわたって停電が発生したことがあった。日中だけでも太陽光で発電できれば、停電時にも島内に電力を供給することができる。

 香川県の再生可能エネルギーの導入量は太陽光が圧倒的に多い。固定価格買取制度の認定を受けた発電設備は1年間で2倍に増えて、運転中の太陽光発電所の規模は全国で26位に入っている(図9)。

図9 固定価格買取制度の認定設備(2014年12月末時点)

 バイオマスでは、うどん発電の25kWに続いて、発電能力が500kWあるバイオガス発電設備を高松市の下水処理場に導入することが決まっている。運転開始は2016年2月の予定で、年間に160万kWhの電力を供給できる見込みだ。

 小水力発電を含めて固定価格買取制度の認定を受けた発電設備がすべて運転を開始すると、香川県内の総世帯数(39万世帯)の5割以上をカバーできるようになる。日本で一番小さい県が挑むエネルギー地産地消の取り組みは着実に前進している。

*電子ブックレット「エネルギー列島2015年版 −四国編−」をダウンロード

2016年版(37)香川:「廃棄物発電がうどんから下水へ、ため池には太陽光発電を」

2014年版(37)香川:「塩田やため池を発電所に、うどんバイオマスも進展」

2013年版(37)香川:「うどん県が挑むバイオマス発電、ようやく広がる太陽光」

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