再エネ変動対策の決め手か、北海道で6万kWhの大規模蓄電池の実証を開始蓄電・発電機器(1/2 ページ)

北海道電力と住友電気工業が共同で進めてきた南早来変電所における大型蓄電システムの設置工事が完了し、2015年12月から実証試験を開始した。

» 2016年01月07日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 北海道電力(以下、北電)と住友電気工業(住友電工)は、2013年に経済産業省が新エネルギー導入促進協議会を通じて募集した「大型蓄電システム緊急実証事業」に共同で応募し補助事業として採択された(関連記事)。その後、2013年7月〜2015年12月を設置工事期間として、設置工事を進めてきたがこのほど、設置工事を完了し2015年12月25日から実証試験を開始した(図1)。

photo 図1 実証事業のイメージ図 出典:北電

 今後2019年3月まで3年超をかけて、風力発電や太陽光発電の出力変動に対応する「調整力」としての性能実証や、最適な制御技術の開発などに取り組んでいく(図2)。

photo 図2 実証事業の主なスケジュール 出典:北電

 今回採用したのは、定格出力が1万5000kW(キロワット)、容量が6万kWh(キロワット時)のレドックスフロー電池で世界最大級の規模になるという。レドックスフロー電池とは、セルの積層部分と電解液の入った巨大なタンクから構成される電池のことで、タンク容量が大きければ大きいほど大きなエネルギーを得ることができる。バナジウムの電解液をポンプで循環させて充放電することが特徴で、エネルギー密度は高くないものの、安全性が高く、大容量でサイクル寿命が比較的長いということが利点となる(図3)。

photo 図3 左図が蓄電池建屋の外観で右図が建屋内の電解液タンク 出典:北電
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