「日本のコストは高すぎる」総合ソリューションに勝機見いだすサンテック太陽光(2/3 ページ)

» 2016年02月25日 07時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

順風グループとしての総合力

 総合エネルギーソリューション企業としての業容拡大に大きく貢献しそうなのが、順風光電グループとしての総合力である。

 サンテックパワージャパンの親会社だった中国のサンテックパワーは2010年に太陽電池モジュールの世界最大手となったが資金繰りが悪化し2013年に一度経営破綻に陥っている。その後、中国の順風光電グループの買収を経て立て直しと信頼回復を図ってきた。現在は順風インターナショナルクリーンエナジー(SFCE)の100%子会社として、中国の無錫サンテックパワーがあり、その日本法人子会社としてサンテックパワージャパンがあるという状況である。

 SFCEグループは、多くのエネルギー企業の買収を進めており、海外ではグループ内での総合エネルギーソリューション事業を早くから進めている。サンテックパワーの他、欧州の太陽光発電設備設計管理企業(EPC)であるSAG SOLAR、ドイツのパワーコンディショナーメーカーのサンウェイズ、リチウムイオン電池製品を扱う米国のボストンパワーなど、数多くの企業を保有していることが同グループの特徴である。これらのグループ企業の製品やソリューションを組み合わせることで、新しいエネルギーソリューションを構築しようというのがポイントである。

photo 図3 SFCEが2年間で買収したクリーンエネルギー関連のグローバル企業 出典:サンテックパワージャパン

35年展開する日本市場への知見

 一方で、サンテックパワージャパンはもともとの母体が、電子部品商社のMSKであるため、日本市場で太陽電池パネルを展開し始めてから既に35年が経過するなど、日本の再生可能エネルギー市場に対するノウハウを蓄積していることが強みである。サンテックパワージャパンの取締役でCOO(最高執行責任者)である山時義孝氏は「グローバルでさまざまなエネルギーソリューションを抱えていることに加えて、日本市場で長くビジネスを行ってきた知見や技術があるところが強みだ」と述べている。

 サンテックパワージャパンでは2016年に入って、ファーウェイ製のパワコンを本格展開することを発表(関連記事)した他、O&M事業への取り組み強化と体制構築なども発表(関連記事)しているが、新たにグループの強みを発揮するために取り扱いを開始するのが、ドイツのメテオコントロールの遠隔監視システムである。

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