「蓄電池連携家電」を強化するシャープ、ZEH提案を中心に蓄電・発電機器(1/2 ページ)

シャープはZEHを軸とした家庭向けのエネルギー関連ソリューションを強化。「蓄電池連携家電」シリーズなどに加えて、新たにコンパクトで設置が簡単なクラウド蓄電池の新製品を投入し、蓄電池導入のハードルを下げる方針だ。

» 2016年04月05日 15時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 シャープは、エネルギー関連製品を単品ではなく、エネルギーソリューションとして提案する取り組みを強化。「ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)実現」を提案の軸に据え、太陽光発電、クラウド蓄電池、クラウドHEMS、エコキュート、さらには蓄電池連携家電まで含めたホームエネルギーソリューションを訴える。

 ZEHとは、家庭内の消費エネルギーより、家庭内で作ったエネルギー量の方が多くなる家のことを示し、政府では「2020年に標準的な新築住宅(の過半数)でZEHを実現する」としている他、「2030年には新築住宅(の平均)でZEHを実現する」という方針を示している。これらをより手間なく低コストで、実現するためには、家庭内のさまざまな省エネ技術や創エネ技術の進歩とともに、これらを組み合わせてエネルギーを最適に蓄積し活用できるようにすることが求められる(図1)。

photo 図1 ZEHに関する政府の目標 出典:シャープ

 シャープでは2015年に太陽電池事業などをエネルギーソリューション事業としてまとめ、単品だけではなくソリューションとしての提案へ転換を進めようとしている。具体的には、太陽光発電システムやエネルギ―を管理する「クラウドHEMS」、エネルギーをためる「クラウド蓄電池」、エネルギーを賢く使う「蓄電池連携家電」などの個々の製品とこれらを組み合わせた提案である(図2)。

photo 図2 クラウド蓄電池システムの全体イメージ(クリックで拡大)出典:シャープ

 既に同社では、クラウドHEMSやクラウド蓄電池システムとともに、蓄電池と連携してエネルギーをかしこく使うことを目指した「蓄電池連携家電」シリーズを展開。第1弾として2015年12月に直流電力と交流電力の両方を利用可能なエアコン「DCハイブリッドエアコン」を発売(関連記事)。さらに、2016年夏には第2弾製品として、蓄電池と連携し、停電時でも蓄電池の電気を活用して運転できる「非常時対応冷蔵庫」も投入するなどラインアップを強化していく方針だ(関連記事)。

 今回発表したのは、これらの土台となる「クラウド蓄電池」の新製品である。設置や使い勝手をより高めることでシステム導入をより容易にしたことが特徴だ。

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