今後も拡大する電力の消費量に対応して発電量も増やしていく必要がある。EIAは2040年に消費する36兆4500億kWhのうち、29%に相当する10兆6300億kWhが再生可能エネルギーになると予測している。この時点で石炭火力を抜いて、再生可能エネルギーが最大の電力源になる(図3)。
再生可能エネルギーの発電量は2012年から2040年まで年率2.9%で成長を続ける予測だ。一方で石炭火力は年率0.8%の低成長を見込んでいる。2012年には全世界の発電量の40%を占めていたが、2040年には再生可能エネルギーと同等の29%まで低下する。発電に伴うCO2(二酸化炭素)排出量が多いために、先進国で発電量が減っていく。
代わって天然ガスによる発電量が増加する。2040年まで年率2.7%のペースで伸びて全体の28%を占める見通しだ。化石燃料の中ではCO2排出量が少なく、安定した電力源として世界各国で拡大が続いていく。このほかに石油火力は2012年の時点で発電量の5%を占めていたが、2040年には1.5%まで低下して電力源としての役割は限定的になる。
EIAは原子力も年率2.4%で伸びると予測している。CO2排出量を抑制する目的のほかに、中東に依存する化石燃料の不安定さも原子力を増やす大きな要因だ。日本の福島第一原子力発電所の事故の影響やヨーロッパの先進国における廃炉の動きを含めても、中国やインドをはじめアジアの発展途上国で原子力発電所を拡大する勢いが上回る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.