10kW以下に需要あり、小水力発電:自然エネルギー(4/4 ページ)
低コスト化を実現できたのは、システム構成全体を考慮したためだ。「対象施設の状況や水道事業者からの要望により費用は変わるものの、22kW機を外販する場合(図8)*6)、システム本体を5年程度での償却できるような価格を想定している」(ダイキン工業)。
*6) ダイキン工業は神戸市との共同研究後、他の自治体向けに小水力発電システムをテスト販売する計画だ。22kW機と77kW機を想定している。「10kWの販売については、神戸市との共同研究結果を見て判断する」(ダイキン工業)。
図8 ダイキン工業が想定する導入場所 出典:ダイキン工業
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空調メーカーのダイキン工業が小型の小水力発電システムを開発した。エアコンのモーターやインバータなどの技術を応用して、水車と発電機をコンパクトなパッケージにまとめた。発電能力は最大で22kWを発揮する。小水力発電が盛んな富山県で実証実験を開始して商品化を目指す。
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小水力発電は小規模であっても水の流れと高低差があれば設置できる。多目的ダムや農業用水などへの設置が盛んだ。宮城県企業局は「水道管」を利用する。管の内部を流れる人工的な水の流れであっても発電に生かせるからだ。
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岐阜県中津川市に完成した小水力発電所は売電収益をそのまま農業環境整備に使う。高い設備利用率が得られる立地を選ぶことで実現した。
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