新たな電力源に対する投資の動向を見ても、風力と太陽光を中心に再生可能エネルギーが全体の7割を占める。2016〜2040年の累計で再生可能エネルギーの投資額は7.8兆米ドル(約820兆円)にのぼり、火力と原子力を合わせた投資額の2倍以上になる(図4)。これが第3の予測である。
再生可能エネルギーの投資額のうち、風力は陸上と洋上を合わせて3.1兆米ドル、太陽光は3.4兆米ドル、水力は0.9兆米ドルを見込める。これに対して石炭火力は1.2兆米ドル、天然ガス火力は0.9兆米ドルで、原子力も1.1兆米ドルにとどまる。
ただし再生可能エネルギーによる電力が大幅に増えるものの、全世界の地球温暖化対策で目指す「気温上昇2℃以下」の達成はむずかしい状況だ。第4の予測では、発電に伴って排出するCO2(二酸化炭素)が2040年には現在よりも5%増えてしまう(図5)。
欧米や中国を中心にCO2排出量の削減が進む一方、インドと東南アジアで排出量が大幅に増加するためだ。2040年に2℃以下の目標を達成するためには、CO2を排出しない電力源の開発に全世界で5.3兆米ドルの追加投資が必要になると予測している。
このほかに第5の予測として電気自動車が急速に普及していく。2040年に全世界で販売する乗用車の35%が電気自動車になり、消費する電力量は年間に2.7兆kWhに達する見通しだ(図6)。加えて電気自動車の普及によって蓄電池のコストが76%低下する効果も期待できる。再生可能エネルギーの導入量を拡大するうえで蓄電池の役割は大きく、コストの低下で蓄電容量の拡大に弾みがつく。
再生可能エネルギーの発電設備が世界で8%増加、過去最高の伸び率
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再生可能エネルギーの投資額が過去最高に、2015年に全世界で35兆円Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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