住宅用FITの終了を見越したリフォーム商品、鍵は「走る蓄電池」スマートハウス(2/2 ページ)

» 2016年06月24日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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住宅用FIT終了後を見据える

 積水化学工業ではこれまでに累計16万棟を超えるPV住宅を建設してきた。その平均PV容量は約4.8kW(キロワット)で、年間発電電力量は約5000kWh(キロワット時)。そのうち約1700kWhの電力は自家消費用に、残りの約3300kWhは売電用の電力として利用されているという。

 今回のV2Hリフォームの発売にあたり、ポイントとなるのは現在売電されている約3300kWhの電力である。2019年ごろから再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)による家庭用太陽光の買取が終了する住宅が増え始めるからだ。売電が

できなくなれば多くの余剰電力の発生が予想される。

 V2Hリフォームはこの余剰電力を、EVやPHEVを組み合わせて有効活用することを狙った商品だ。積水化学工業では2030年のEV・PEHVの普及率を20%とした場合、同社の建築したPV住宅のうち約5〜6万棟のユーザーがEV・PEHVを保有していると想定している。こうした家庭がFIT終了後も余剰電力をムダにせず、経済的なメリットを受けられるよう新商品もV2Hリフォームを用意した。

 当面は既に同社PV搭載住宅のユーザーでEV・PHEVを所有している顧客の他、今後EV・PEHVへの買い替えを予定している顧客を対象に提案を進める。初年度は100件の受注を目指す方針だ。

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