太陽光発電による「スマートゴミ箱」、日本一広いテーマパークで実証開始省エネ機器(2/2 ページ)

» 2016年07月05日 13時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]
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ホテルでは太陽光で電力と温水を供給

 これまでもハウステンボスでは最新のIT(情報技術)や再生可能エネルギーを積極的に導入してきた。2015年7月に開業した「変なホテル」では、フロント業務をロボットが代行する世界で初めての運営方法を採用して大きな話題を呼んでいる(図4)。

図4 「変なホテル」のフロントで接客中のロボットスタッフ。出典:ハウステンボス

 続いて2016年3月に開業した「変なホテル」の第2期棟には、太陽光と水を組み合わせた自立型のエネルギー供給システムを導入した。太陽光で発電した電力を使って、水を電気分解して水素を製造するシステムである。内部に貯蔵した水素から燃料電池で電力と温水を作り出せるため、停電が発生してもホテル内にエネルギーを供給できる(図5)。

図5 「変なホテル」の第2期棟で運転中の太陽光と水による自立型エネルギー供給システム(上)、ホテルに電力と温水を供給する仕組み(下、画像をクリックすると拡大)。出典:東芝

 太陽光による発電能力は62kW(キロワット)で、貯蔵した水素から生み出せる電力量は最大1800kWh(キロワット時)になる。一般家庭が1日に利用する電力量(10kWh)に換算して180世帯分に相当する。変なホテルの第2期棟の72室のうち、12室分の電力は年間を通じて太陽光と水だけで供給することが可能になった。

 このほかにもテーマパークに隣接する別荘地では、太陽光と風力を組み合わせたハイブリッド発電システムが2015年7月から稼働している。発電能力が30kWの太陽光パネルと2基で合計10kWの小型風力発電機で構成する(図6)。発電した電力を蓄電池に貯めて、別荘地の管理センターで使用する電力を自給自足する試みだ。

図6 ハウステンボスの別荘地に設置した太陽光と風力のハイブリッド発電システム。出典:ハウステンボス・技術センター、九電工

 今後はテーマパークの敷地内に数多くのスマートゴミ箱が設置されて、再生可能エネルギーの利用量が一段と増える。環境に配慮したテーマパークの先進的な取り組みは続く。

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