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» 2016年07月11日 11時00分 UPDATE

自然エネルギー:駐車場に太陽光発電を普及させる、エネルギー自給率30%を目指す東京で (2/3)

[石田雅也,スマートジャパン]

太陽光パネルと屋根の傾斜を変える

 2カ所目のソーラーカーポートは東京都の水道局が運営する「八王子給水事務所」の中にある。都心から40キロメートルほど離れた山間部に近い給水所の構内にある一般的な駐車場で、設計条件に特に制約はなかった。多くの駐車場で採用できるように、標準的な設計で施工コストの削減を図った(図3)。

図3 「東京都水道局八王子給水事務所」の駐車場に設置したソーラーカーポート。設計時のパース図(上)、完成後の状況(下)。出典:東京都環境公社

 ただし特別に工夫した点が1つある。太陽光パネルは南向きに角度をつけて設置することが望ましい。ところが駐車場の進入経路を考えると、雨が降った時には駐車場から出入りする部分に雨水が落ちる配置になってしまう。

 ソーラーカーポートによる利便性の低下を防ぐために、パネルの設置面と屋根の傾きを変えた。屋根を北向きに傾斜させて、雨水が車の後方に流れ落ちるようにした(図4)。太陽光パネルの設置面と屋根のあいだは三角形のトラス構造で強度を高めている。

図4 太陽光パネルと屋根の傾斜。出典:東京都環境公社

 普通乗用車10台分のスペースを利用して、合計60枚の太陽光パネルを搭載した。発電能力は全体で15kWになる。設置工事を2月29日に始めて1カ月後の3月29日に運用を開始できた。海浜公園のソーラーカーポートと同様に、発電した電力は給水事務所で自家消費する。

 2カ所のソーラーカーポートは2020年3月末まで運用しながら導入効果や維持管理体制を検証する予定だ。太陽光パネルをはじめ発電設備の外観を2カ月に1回の頻度で巡視点検するほか、2年に1度の定期点検では機器の接続状態の確認や電圧測定などを実施して事故を防止する。

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