北海道ガスは石狩LNG基地に高効率な出力78MWのガス発電設備を計画している。川崎重工業製のガスタービンを利用し、排熱も活用するコージェネレーションシステムで総合効率80%を目指す。2018年10月に稼働を予定しており、これに合わせて北海道ガスは自営線も整備する。自営線は周辺地域で再生可能エネルギー事業を計画する事業者と共同発注し、コストを抑える。
北海道ガスは石狩LNG基地に液化天然ガス(LNG)を使った高効率ガス発電設備の建設計画を進めている。2016年7月11日にこの発電設備の工事を川崎重工業に発注したと発表した。
このガス発電設備は2018年10月の運転開始を目標にしている。2016年4月から電力小売に参入している同社のエネルギー供給体制の整備に向けた取り組みの1つとなる。北海道ガスは2019年度の電源構成目標として、木質バイオマスや水力などの再生可能エネルギーで26%、道内の自家発電(購入契約)で9%、天然ガスコージェネレーションなどを行う小樽エネルギーセンターで1%、そして残りの61%を新たに建設するガス発電設備で担う計画だ(図1)。
ガス発電設備は北海道ガスが所有する既設の石狩LNG基地内の敷地に建設するもので、川崎重工業製の出力7800kW(キロワット)のガスエンジンを10台備えた出力78MWの発電設備となる予定だ(図2)。将来はさらにガスエンジンを増やし、出力を100MWまで高める計画である。
ガスエンジンそのものの発電効率は約50%。起動後10分以内に最大出力に到達でき、幅広い負荷範囲で発電できる。この能力を生かして同時同量を確保する調整電源としても活用する。LNGを使って発電するだけでなく、排熱を基地内で活用するガスコージェネレーションシステムとすることで、全体のエネルギー効率を最大80%まで高める計画だ。着工は2017年4月を予定している。
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