太陽光発電だけで飛ぶ飛行機、4万キロの旅を終え世界一周を達成 : 自然エネルギー (2/2 ページ)
無事にプロジェクトを終えたソーラーインパルスだが、早くも次の取り組みを見据えている。ソーラーインパルスが、クリーンエネルギーの啓もうとして果たしてきたことや、技術的な蓄積などを生かし、次へのプロジェクトが動き出しているのだ。
啓もうの面では、「International Committee of Clean Technology(クリーンエネルギー国際委員会)」の設立がある。同委員会においてソーラーインパルスが果たしてきたクリーンエネルギーの啓もうや新たなソリューションの提示などを行う。技術の面では、技術提供による航空機業界における電気動力化の推進を進める他、ソーラー駆動のドローンの開発などにも貢献するなど、太陽光発電技術の領域拡大を目指していくとしている(図4)。
図4 ソーラーインパルスが目指す次の取り組み(クリックでWebサイトへ)出典:Solar Impulse
太陽光発電で世界一周する「ソーラーインパルス」、ニューヨークから大西洋横断へ
2015年3月にアラブ首長国連邦を飛び立った「ソーラーインパルス2」が2016年6月11日に米国ニューヨーク市に到着した。西海岸のサンフランシスコ市を約1カ月前に離陸してから予定よりも多い4カ所を経由して米国を横断した。準備が整い次第、大西洋上を南ヨーロッパか北アフリカへ向かう。
蓄電池がオーバーヒート、太陽光発電で世界一周は4月に再開
太陽光発電による史上最長のフライトに成功した「ソーラーインパルス2」に問題が発生していた。電力を充電・放電する蓄電池が過酷な使用環境のもと、温度の急上昇によって部品の一部が損傷した。修理には数カ月かかる見通しで、世界一周の飛行計画を再開できるのは2016年の4月になる。
太陽光だけで世界一周に挑む飛行機、天候悪化で名古屋に着陸
1滴の燃料も使わずに世界を一周する。太陽光だけをエネルギー源に使う飛行機「ソーラーインパルス」が6月1日の深夜に予定外で日本に飛来した。翼や胴体の上部に1万7000枚以上の太陽光パネルを搭載した1人乗りの飛行機は、天候の悪化で電力が不足して名古屋空港に立ち寄ることになった。
太陽光で5日間の飛行を開始、ハワイに向けて1日目の夜を乗り切る
太陽光が作る電力だけで世界一周に挑む飛行機「ソーラーインパルス2」。天候悪化のために6月1日から名古屋空港で待機していたが、29日(月)の午前3時にハワイに向けて飛び立った。世界一周の航程で最長の5日間のフライトでは、太陽光で電力を作ることができない夜間の飛行が難関だ。
太陽光発電と蓄電池で7212キロの飛行に成功、名古屋からハワイへ5日間
太陽光だけで世界一周に挑む「ソーラーインパルス2」が最大の難関を乗り切った。日本時間の6月29日に名古屋空港を飛び立って4日と21時間52分でハワイのホノルル空港に着陸した。途中3日目には一時Uターンして発電量を増やす対策をとるなど、太平洋上で電力を確保する戦いを続けた。
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