エリアインバランスの誤算定は全国の発電事業者と小売電気事業者に影響を与えてしまう。各地域のエリアインバランスは広域機関が集計したうえで、日本卸電力取引所が市場価格をもとにインバランス料金の単価を決めている(図4)。北海道電力と中部電力が誤ったエリアインバランスを広域機関に報告したことによって、本来と違う単価で全国の事業者とインバランス料金の精算を実施してしまった。
実際に北海道電力のエリアインバランスがどのくらい誤っていたかは1月23日に経済産業省に報告する予定だ。すでに中部電力はエリアインバランスの誤算定による電力量を1月13日に公表している。2016年4月から10月の7カ月分の合計で5億5600万kWh(キロワット時)にのぼった(図5)。実際よりも81%多い余剰インバランスを広域機関に報告していた。
1月18日の時点では残り8社の電力会社がエリアインバランスを誤算定していたことは明らかになっていない。経済産業省は各社の状況を確認したうえで、広域機関と日本卸電力取引所にインバランス料金の単価の再計算を求める見通しだ。改めて全事業者のインバランス料金の精算が必要になり、膨大な作業が各所で発生してしまう。小売全面自由化に伴うシステムの不具合の影響が拡大している。
中部電力でもシステムの不具合、需要と発電量を7カ月にわたって誤算定
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東京電力のデータ通知遅延が続く、システムの対策に遅れCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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