トヨタが自社工場に水素で動く燃料電池フォークリフトの導入を開始した。まずは愛知県豊田市の「元町工場」に2台導入し、順次導入台数の拡大を図る。これにより工場のCO2排出量削減を進める狙いだ。
トヨタ自動車は、愛知県豊田市の「元町工場」に豊田自動織機製の燃料電池フォークリフト(以下、FCフォークリフト)を2台導入したと発表した。2017年1月31日から同工場での利用を開始している(図1)。
導入したFCフォークリフトの積載量は2.5トン。水素タンクには35MPa(メガパスカル)の圧力で水素を充填(じゅうてん)し、最大1.2キログラムを搭載できる。充填時間は約3分で、約8時間が稼働の目安となる。AC100V(ボルト)対応のコンセントも備え、電動工具用の電源や非常用電源としても活用できる。
同社は2015年に公表した「トヨタ環境チャレンジ2050」の柱の1つとして、「工場CO2ゼロチャレンジ」を掲げている。これは工場における水素エネルギー活用技術の開発・導入などを進めることで、CO2排出量の削減を目指す取り組みである。
トヨタはこの計画にもとづき、工場でのCO2排出量削減に向け、現在使用しているエンジン式フォークリフトをFCフォークリフトに置き換えていく予定だ。まずは元町工場において2017年に2台、2018年に20台程度導入し、その後、2020年頃までに170〜180台程度の導入を目指していく。
なお、今回導入したFCフォークリフト2台は、環境省・国土交通省連携事業である「水素社会実現に向けた産業車両の燃料電池化促進事業」を活用して導入した。2016〜2018年度の間はFCフォークリフトと、同クラスのエンジン車の価格差が半額補助される制度である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.